日経ビジネス記事「野口悠紀雄氏『楽観的な見通しでは、取り返しのつかなくなる可能性』」が面白い。
(早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問)
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00152/043000012/?P=1
・コロナ後の世界における考え方では、自由か、管理かが重大な問題になります。もう1つは、世界の虚構が分かった。例えば、EU(欧州連合)はイタリアやスペインを見捨てました。世界保健機構(WHO)も今のままの形では存続し得ないでしょう。また米国の医療保険制度は感染拡大を招きました。多くの制度の根幹を組み直す必要があります。
・経済の活性化で最も基本的なものはイノベーションです。ただ、コロナの影響がある時期で、イノベーションは著しく阻害されるでしょう。企業が研究開発活動にお金を回す余裕がありません。長期的な成長から見て、非常に深刻な問題です。
・イノベーションの芽が出てきているのは事実です。例えば、在宅勤務やリモートでの会話。これらは今後の経済を変えていく推進力になると期待できます。離れていて仕事ができるのは大きな発見です。多くの人が対応したからできたのであって、こういう技術が将来を変えていきます。今までと違った形での経済の進歩となりますが、その方向はかなり見えています。
・金融を緩和すれば経済が良くなるという幻想のもとでここまできてしまいました。新しい技術に対応するような構造改革を行うべきでしたが、何もしなかった。ただ、今がチャンス。在宅勤務ができることがわかったことだけでも進歩です。災い転じて福となす、としなければなりません。
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
