平野 啓一郎さんが、【芸術とは何か?】を論じている内容が興味深い。
あいちトリエンナーレの『表現の不自由展・その後』が、個々の事例を通じて問うていたのは、実のところ、「アートワールド」の自律性自体の問題だと感じたという。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/562427/?fbclid=IwAR1OTAuZgPuybDjiaGyYgvK8jCRSL_Bf7H_soL_-tiaNDMZ4s8BUv0SmIi4
・アメリカの哲学者ダントーが、『アートワールド』という論文を書いたのは、1964年のことである。執筆の動機は、ウォーホルの展覧会で、展示されていたハインツのケチャップなどを、鑑賞者が「こんなのは芸術じゃない!」と否定する様を見たからだという。
・ダントーはまず、「芸術とは何か?」という根本的な問いに対して、模倣理論に基づく再現芸術と、非-模倣的で、それ自体が新しい“現実”となるような芸術との二種類に大別する。前者の≪モナリザ≫や≪ひまわり≫が芸術だというのはわかるが、なぜケチャップが芸術なのか?
・ダントーは、それを芸術たらしめているのは「アートワールド」だと言うのである。
「アートワールド」とは、字義通りの意味だが、その構成員については厳密に定義されていない。アーティスト、キュレーター、ギャラリスト、研究者、コレクター、一般美術愛好家、……といった人々を考えれば良いのだろう。そして、ハインツのケチャップなどを、芸術たらしめているのは、「アートワールド」に於ける「芸術理論のある雰囲気」であり、「芸術の歴史についてのある知識」なのだと、微妙な話をしている。
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
