「量子もつれを利用するステルス型レーダー、初の実証に成功」というのは、面白い。
https://www.technologyreview.jp/s/159698/quantum-radar-has-been-demonstrated-for-the-first-time/
・量子コンピューティング、量子暗号、量子テレポーテーションなどの開発ではほぼすべて、可視光あるいは近可視光を利用してきた。
・オーストリア科学技術研究所のシャビル・バルザンジェらのチームは世界初の量子レーダーを作り出すだめ、マイクロ波のもつれを利用した。彼らが作った装置は、わずか数個の光子を使い、離れた距離から物体を検出できる。これは、検出可能な電磁放射をほとんど出さないステルス型レーダー・システムの実現への展望を示すものだという。
・ジョセフソン・パラメトリック増幅器と呼ばれる超伝導装置を利用して、もつれたマイクロ波光子のペアを複数作る。そしてシグナル光子と呼ばれる1つ目の光子を対象に向けて放ち、その反射を確認する。
その間、アイドラー光子と呼ばれる2つ目の光子を用意する。反射した光子が届くとこのアイドラー光子に干渉し、シグナル光子がどれほどの距離を移動したのかが分かるという。
・シグナル光子とアイドラー光子は非常によく似ているので、他の光子の影響を簡単に除去できる。そのため、戻ってくるシグナル光子を容易に検出できる。
もちろん、もつれの性質は量子の世界では脆いものであり、反射の過程がもつれを破壊してしまう。それでもシグナル光子とアイドラー光子の間の相互関係は十分に強いため、バックグラウンドのノイズから区別して検出できるらしい。
・彼らの手法の大きな利点は、低出力の電磁放射で済むことだ。「今回の結果は、生物医学な応用における非侵襲的なスキャン法としての可能性を示しています。たとえば、人間の組織のイメージングや、タンパク質の非破壊の回転分光法などです」とバルザンジェらは述べているようだ。
・バックグラウンドのノイズに埋もれることで、敵側による検出が困難なステルス型レーダーにこの技術を応用できるという。この量子レーダー技術は、人間の多い閉鎖空間で、安全保障用途の短距離・低出力レーダーとして役に立つかもしれないと研究者たちは述べているらしい。
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
