WIRED記事「EV本体より長寿命なバッテリーを開発中、テスラの研究者らの論文から明らかに」が面白い。
https://wired.jp/2019/09/15/tesla-batteries-electric-vehicles/?fbclid=IwAR1blwwSAL4DLQp2D3qyP8HcVe2m120qFCGV3BKSRl-XV_TSyikZMHWYEQI
・イーロン・マスクは、招待者限定のイヴェントで相当に大胆な見通しを語ったという。2020年の半ばまでに、完全自動運転となる「レヴェル5」のタクシー100万台を顧客に届けるというのだ。ちなみに現時点ではレヴェル5の自律走行車は、1台も実用化されていない。
・これに対して、マスクのもうひとつの“予言”は、実現に向けて動き出しつつあるようだ。このイヴェントでマスクは、少なくとも走行距離が100万マイル(約160万km)までは大きなメンテナンスが不要な電気自動車(EV)を、近いうちにテスラで生産し始めると語ったらしい。
・カナダのダルハウジー大学の研究者で、テスラのバッテリー研究グループのリーダーを務めるジェフ・ダーンらが、その詳細を米国電気化学会の『Journal of the Electrochemical Society』に掲載された論文で解説しているらしい。
・論文が明確に焦点を当てているのは、運送業や自動運転タクシー、そして電力網におけるエネルギー貯蔵である。複数のドライヴァーが共同で使用することの多いタクシーなら、一日中ずっと走り続けた走行距離を合計すれば数百マイルに達するだろう。長距離を走る大型トラックのドライヴァーなら、300マイル相当のバッテリーは1日で使い果たしてしまうはずだ。
論文は、まさにこうした分野に焦点を当てている。少なくとも1日に1回はバッテリーを使い切って充電するタイプの車両だ。従来のバッテリーセルはたいてい円筒形をしているが、ダーンが実験したバッテリーセルは袋状で、黒鉛を含む新しいタイプのリチウムイオンバッテリーだという。
・研究によると、バッテリーの温度を20℃に保った場合、2.25年にわたって3,400回の完全充電を繰り返しても、容量の消耗率はわずか4パーセントだったという。完全に充電した状態でバッテリーを20℃で保管した場合、1.3年にわたって容量の消耗はなかった。温度が高いとパフォーマンスはわずかに下がり、40℃で1.3年保管した際の容量の消耗率は3パーセントだったらしい。
・なお、テスラはすでに再生可能エネルギーの発電施設と組み合わせて使う蓄電用バッテリーを販売しており、中国・上海に3カ所目となるバッテリー工場「ギガファクトリー」を建設中という。
同社は現段階では、バッテリーを自社生産しているわけではない。ネヴァダ州のギガファクトリーでは、パナソニックのバッテリーセルを使用している。
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
