(株)情報通信総合研究所の前川 純一主任研究員が、「日本発、『できる』を実現するテクノロジー ~テクノロジーで一人一人が活き活きと活動できる社会へ」と紹介している内容が面白い。
https://www.icr.co.jp/newsletter/wtr365-20190913-maekawa.html
・ロボットスーツは人が身体に装着することで、動作の補助や筋力を補うことを目的にしており、これらはパワードスーツとも呼ばれる。代表的なものに日本のCYBERDYNE(サイバーダイン)社のHAL (Hybrid Assistive Limb) がある。HALには医療用と介護用のそれぞれ2種類がある。
・医療用下肢タイプのロボットスーツHALは2016年1月に保険適応となり、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脊髄(せきずい)性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、シャルコー・マリー・トゥース病、封入体筋炎、遠位型ミオパチー、筋ジストロフィー、先天性ミオパチーの8疾患がHALを使った進行抑制治療の対象となっている。
・HALは日本以外にドイツ、米国でも医療機器として認証を取得しており、日本発の医療機器として、今後の更なる普及が期待される。
・ロボットスーツは医療用だけではなく、介護といった職業的に腰への負担が大きい分野での腰痛予防としても注目されている。
CYBERDYNE社はHALのLumber Type(腰タイプ)を提供している。これは前述した下肢タイプの機能を腰回りに限定したイメージとなる。
・ロボットを「分身」として活用することで、色々な理由で自分が必要とされる場所に行くことができなかったり、コミュニケーションが取れなかったりすることへの代替手段となるソリューションを株式会社オリィ研究所が提供している。
その代表的な製品が分身ロボットOriHime(オリヒメ)だ。OriHime本体にはカメラ、マイク、スピーカーが搭載されており、インターネットを通して操作が可能となっている。参加したい場所にOriHimeを置くことで、周囲を見回したり、聞こえてくる会話にリアクションしたりするなど、まさにその人がその場にいるようなコミュニケーションを可能とする。
・最近では、同社はOriHime-D(オリヒメディー)という遠隔で接客やものを運ぶことを可能にする分身ロボットを開発。2018年11月には東京・港区で分身ロボットカフェを開催した。そこではこれら分身ロボットを重度障がい者の人達が自宅等から遠隔操作で操作することで接客、給仕が行われた。
このロボットカフェは10日間限定で、あくまで実験的なものであったが、これらの経験が後々の重度障がい者によるテレワークの推進に活かされていくことは間違いないだろう。
・創発計画株式会社代表の高野元氏は2013年にALSを発症。現在は既に24時間介護が必要な最重度の障がい者で、2017年に気管切開も行い、通常の会話もできない。その一方、元々ソフトウェア開発に携わりITリテラシーが高い同氏は、視線入力を活かしてPC操作を行い、音声合成機能を使った会話ができる。さらに、プレゼンテーションソフトであるMicrosoftのパワーポイントの操作もやってみせる。しかし、彼の悩みは合成音声を利用してパワーポイントでプレゼンテーションを行うことができないことだった。
この課題の克服に向け、同氏は知人のソフトウェア開発者の協力のもとクラウドファンディングを利用し、重度障がい者向けのプレゼンテーションシステム「HeartyPresenter」を自ら作ってしまった。
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁


