米グーグルの親会社、アルファベットの研究部門「X(エックス)」が追求してきた「ムーンショット」(グローバルな問題に対する革新的な解決策)の成果は一様ではないなど、Forbes記事が伝えている内容が面白い。
眼鏡型ウエアラブル端末「グーグル・グラス」が、イノベーションの失敗例とされる一方で、2016年にXからスピンオフ(分離・独立)した自動運転車開発部門「ウェイモ」は、モルガン・スタンレーの最新の試算で評価額が1億7500万ドル(約197億円)に達した(アルファベットの時価総額の5分の1に相当)らしい。
今夏、さらに2つの有望なプロジェクトがXから「卒業」したといい、「ウイング(Wing)」は大型の凧(たこ)くらいの自動飛行ドローンを使い、食品や医薬品を配達する取り組みで、オーストラリアの地方部でサービスを開始、一方、「ルーン(Loon)」は、気球を使って上空からインターネットアクセスを提供、昨年、大型ハリケーン「マリア」が襲来し、インフラが打撃を受けたプエルトリコではこれが活躍したという。
Xを卒業する唯一にして最大の理由は、将来のリスクが「実行」にあることで、彼等が並外れて得意なのは、実験であり、正しい方向に進んでいるかを絶えず自問している、解決策はおろか、課題が何であるかもわからない初期段階は、それが非常に有効となる、だがひとたび課題を理解し、解決中の問題が何であるかが明確になると、その先のハードワークの中心はそれをふさわしい方法で実行することで、それは彼等の仕事ではないとしているのは、よく理解できる。
アルファベットの研究部門「X」を率いるアストロ・テラー氏

「プロジェクト・ルーン」の気球の頭脳部分。インターネットアクセスを提供する間、空中を飛行するのに必要な電子機器が、銀色の箱に格納されている

「プロジェクト・ウイング」の自動飛行ドローン。X本部にある人工風洞の中で荷物を運ぶ実験を行っている

IT起業研究所ITInvC代表 小松仁