慶應義塾大学総合政策学部の神保 謙教授(東京財団上席研究員)が、近未来に「全ての作戦領域に革新的変革をもたらす」ことが確実視されるのが、人工知能(AI)とロボティクスというのは、残念ながら的を射ていると思う。

現代の軍事組織はすでに高度にネットワーク化され、政策決定者、司令部、部隊、兵士個人がリアルタイムに戦場空間を認識でき、すでに無人化システムは、対テロ作戦、警戒監視、危険性の高い戦域での活動で本格的に運用されているというのは間違いないだろう。
後はAIとロボティクスの応用で、人間が「判断の環」に組み込まれていた軍事システムから抜け出し、自律的な軍事行動やロボット同士の戦闘さえ展開されるかもしれない、これが「戦場のシンギュラリティ(特異点)」と呼ばれる未来像というようだ。
ロボットが人間の生命を奪うことへの倫理的問題や法的責任についても、国際社会はまだ議論を始めたばかりであるという。
「戦場のシンギュラリティ」の到来は不確実だが、無人化システムとロボティクスは勢いよく安全保障の諸相を変革させており、日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増し、長い国境線と広大な排他的経済水域を持ち、少子高齢化が進み自衛隊員の確保が困難な状況において、無人化システムとロボティクスの導入は我が国でも積極的に検討されるだろうという指摘は、尤もかもしれない。
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁