日経紙の記事“AIや自動運転 「量子」が突破口 演算速度1億倍”の内容が、判りやすく参考になると思う。
量子コンピューターを世界で初めて商用化したベンチャー、カナダのDウエーブ・システムズ(DWS)の1台17億円の最新鋭機「2000Q」では絶対零度で演算チップが稼働、装置内部は冷却装置以外ほぼ空洞でクリスマスツリーを逆さにしたような装置の先端に「量子ビット」と呼ばれる演算回路が1枚埋め込まれているらしい。
量子コンピューターは「組み合わせ最適化」を得意とし、創薬や画像認識などで効果が大きく、米ロッキード・マーチンはステルス戦闘機開発に活用したようだ。
本格的な商用化を予感させたのが、独フォルクスワーゲンが中国・北京で実施したテストで、タクシー1万台のGPSを解析、うち418台で北京空港まで渋滞に巻き込まれない最適なルートを探し出したが、かかった時間は数秒で従来は30分かかっていたという。
一方、絶対零度で稼働する演算チップは「ノイズ」と呼ばれるちょっとした温度や磁力の変化、震動があるとうまく作動しない、能力引き上げに量子ビット搭載数を増やした場合の安定性なども未知数という弱点はあるらしい。
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
