米国のインターネット、通信業界を専門とするジャーナリスト、リサーチャーの小池良次さんが、CESで、エヌビディア、クアルコム、インテル、エリクソンなどの先端企業が、別名「ギガビット・ワイヤレス・ブロードバンド」5G時代を前に激しい前哨戦を展開していると伝えている内容が興味深く参考になる。
仮想現実(VR)/拡張現実(AR)や自動運転車、音声操作によるスマートホームなどはいずれも5Gビジネスの前哨戦といえ、ブームの予兆は確実に始まっているらしい。
モバイルチップの最大手メーカー米クアルコムは、CESでVR/AR機能や高精細ビデオ、ギカビットクラスのLTEに対応する新チップ(17年上半期出荷予定)や人工知能(AI)のディープラーニング(深層学習)機能を搭載した車載用チップを紹介したようだ。
さらに、同社は米AT&T、スウェーデンのエリクソン、韓国SKテレコムとともに、携帯標準化団体3GPPが進めている5G規格に合わせて、伝送実験の準備を進めているという。
一方、エヌビディアは、長年開発してきたグラフィック処理半導体(GPU)技術をテコに、AIプラットフォームの面から5G時代を攻めようとしているらしい。
クアルコムは、高度な無線通信チップの強みを生かして攻めており、同じAR/VRやAIアプリケーションでも、自動運転車や家庭内を狙うエヌビディアに対し、モバイル端末分野を狙うクアルコムという違いがあるというのも面白い。
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁


