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Techmom海部美知さんが、あらゆる面で「非マクドナルド」的であることで有名なバーガーチェーンとして、カリフォルニア州を主要拠点とする「イン・ン・アウト・バーガー(INOB)」を採り上げ紹介している内容が興味深い。

同店のメニューはものすごくシンプルで、基本的にはハンバーガーとポテトとドリンクしかないらしい。

冷凍保存設備がなく、フライドポテトは生のジャガイモをその場で切って揚げる本物志向なのに値段はそれほど高くないようで、味付けは「秘密のソース」、メニュー表にない「シークレット・メニュー」、ドリンクカップに印刷されている謎の「聖書の章名」、ハリウッドの著名人ファンなど、数々の「神話」に包まれ、店舗が少ないことも手伝って一種の「カルト」となり、新しい店がオープンするたびに長蛇の列ができるとのこと。

一店舗当たりの売上では常に全米上位にランクされ、従業員に高めの給与を払うことでも知られるようだ。

一方、マクドナルドは、集中生産・冷凍輸送による食材のコストダウン、フランチャイズによる急速な店舗展開、その数量効果による食材や店舗のさらなる低コスト化、マニュアルによる作業の単純化・ファスト化、それによる従業員の低コスト化を徹底して推進したビジネスモデルであるが、主に2つの点でしばしば、アメリカの深刻な問題の象徴として批判されるようだ。

一つは、客単価を上げるための「スーパーサイズ化」(ポテトや炭酸飲料の「特大」サイズ)が、米国人の肥満・不健康を助長するという点、もう一つは、低賃金で従業員をこき使う「ブラック企業」という点。

マクドナルドが工場の映像を公開したり、健康志向な新メニューを導入しても、なかなかブランドイメージが回復しないのは、そもそも同社の経営の根幹が「数量効果によるコスト減というマス時代的な仕組み」であるからというのは的を得ていると思う。

大量生産、冷凍輸送、標準マニュアル化などといったマス型技術・ノウハウを導入すると、当初はどんどんコストが下がるので、大きな利潤が発生し、価格を下げ、サプライヤーや従業員にそれなりに分配しても株主利益が十分残るので、皆ハッピーになるが、ある程度までいくとそれ以上は自然にはコストが下がらなくなる、経済学の基礎で学ぶ「限界費用曲線」が底を打った状態となってしまう。

他方、高品質高サービスで従業員にやさしいINOBは「エシカル(倫理的)ビジネス」と呼ばれるそうだが、INOBでは、食材は非冷凍食材をローカル調達する「地産地消」を旨としており、新規出店は同じローカル調達網を使える範囲から徐々に広げるスローペースで、味とサービス品質を落とさないためフランチャイズ化を否定しているらしい。

マクドナルドは世界で3万5000店以上、INOBは西部4州で300店以下と、規模では2桁の差がついている現実もあり、需要に適合していくにはどうしていくのか、今後の動きを注目したい。


http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20141017/272699/

シリコンバレー在住の渡辺千賀さんが、靴のオンラインショップZapposのファウンダー、トニーシェイが自費350億円をかけて進めるラスベガス・ダウンタウン再生にまつわる話を紹介している内容が面白い。

再生プロジェクトのミッションは、Collisions, Co-learning, Connectednessという3つのCを通じ、長期的かつサステイナブルに、ラスベガスダウンタウンを、インスピレーションと、起業家のエネルギーと、クリエイティビティと、イノベーションと、アメリカンドリームと発見に満ちた場所にすることらしい。

Collisionsに関連し、ROCというコンセプトがあるそうで、Return on Collisionの略で直訳すれば衝突利益率になるが、人と人が出会うことと定義されているようだ。

ラスベガスで不動産を買い占め、さらに変わった行動を取った先輩ではるかに大物として、大富豪ハワード・ヒューズは、1960年代にラスベガスのホテルに泊まり「部屋から出たくない」という理由でホテル全体を買い上げ、その部屋から9年間全く出ないまま次々にホテルやカジノ、周辺の更地を買い上げていったらしい。

数々の奇行で知られているが、当時の彼の腹心の部下とされる人は一度もヒューズ本人に会うことなく指示を実行していたという有名な逸話を思い出す。

http://www.yomiuri.co.jp/job/entrepreneurship/watanabe/20141021-OYT8T50161.html