ジェトロセンサー2014年11月号中の「【米国】大型蓄電池への需要拡大」の記事によると、米国ではシェール・ブームに沸く一方、再生可能エネルギーによる発電も拡大し、03年から13年で、再生可能エネルギー0.36兆/kWh⇒0.76兆/kWhに倍増、石炭1.97兆/kWh⇒1.63兆と減少、原子量0.76兆/kWh横ばいとある。

再生可能エネルギー拡大の主因は、次の2つとされている。

(1)連邦政府による風力発電や太陽光発電を対象とする生産税控除(PTC:発電所稼働後の最初の10年間法人税から1kWh当たり2.2セント控除)や投資税控除(ITC:システム費用の30%を税額控除)などの財政的支援が長期にわたり
継続された。

(2)各州が独自に設定し、電力事業者に対し一定割合の再生可能エネルギーの導入を義務付ける再生可能エネルギー・ポートフォリオ基準(RPS)の導入が普及した。

一方、風力や太陽光発電は天候次第で出力が不安定になり、エネルギー貯蔵システムESS用の蓄電池が不可欠となるが、高性能で大型のタイプは日本企業の得意領域のようだ。

住友電工は年内にカリフォルニア州など2か所に米電力会社と共同で実証施設「レドックスフロー」を建設、NECは中国の自動車部品大手万向(ワンシャン)集団から、12年に破綻した米バッテリーベンチャーのA123システムズの法人向けリチウムイオン蓄電システム事業を買収し、カリフォルニア州の大規模調達も狙っているらしい。

日立アメリカは、電力需要の制御サービスを提供する米デイマンシスと共同で蓄電システムCrystEnaの実証実験を行うことで合意しているとのこと。

米国では発電と送電会社が独立して電力供給を行う自由化で先行しており、周波数や電圧を維持するための電力系統運用サービス(アンシラリーサービス)が不可欠で、ここにESS用電池導入の動きもあるようだ。

韓国サムスンSDIやLG化学が実証実験で優位に交渉を進めているようでもあり、日本企業の今後に期待したい。

http://www.jetro.go.jp/jfile/report/07001868/07001868.pdf