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日経ビジネス・オンラインに、ここ数年で急に「ブラック企業」と言われ始めたファーストリテイリングの会長兼社長柳井正さんが、思うところをかなり率直に述べていると思われるのが印象的である。

10数年前から、激務の割には低賃金、過大なノルマと軍隊的社風に支配され、離職率は常に高止まり、劣悪な労働環境の企業が、ネット上で「ブラック企業」と呼ばれ始めているらしい。

柳井さんによると、「ブラック企業」と言われるようになったのは、グローバル戦略を本格化してからのようだが、離職率が2~3割であれば普通だろうが半分はさすがに高く、長年働いている社員の中には、急に「グローバル」と言い始めたことで戸惑っている人も多かった、彼らは彼らで小売業やサービス業に従事するビジネスパーソンとして、非常にいい仕事をする、グローバルとは別に、それはそれとして評価すべきだった、そのあたりの配慮がちょっと足りなかったようだとも述懐している。

入社早々の人に、店長として何をすべきなのかという「技術」ばかり教育していたのが一番の問題であり、 実務教育も必要だが、今後はそれ以上に、人間として、社会人として、リーダーとして、どうあるべきなのかということを教えようと思っているという。

ただし、日本が本格的に開国すれば、アジアと北米の交差点となり、一層ボーダーレスになり、若い人は今後、海外の若い人と競争しなくてはならなくなるし、それも相手は先進国だけではなく、これからは新興国とも戦わなくてはならないという指摘は的を得ていると思う。

若い社員に「海外に行ってくれ」と繰り返し言っているらしいが、本当の意味で経営者になってほしいからで、それができないのであれば、当然ながら、単純労働と同じような賃金になってしまうというのは尤もだと思う。

25歳くらいまでに基本的な考え方を決めて、努力を重ねて35歳くらいで執行役員になり、45歳くらいでCEOになるのが正常な姿だというのは、米国などグローバルな視点から見ると、決して極論ではないだろう。

確かに今の若い世代は安定を求めており、変化や自分の成長より安定した一生を望んでいると見ているのは、残念ながら現実だろうし、それだけに、日本の若い社員にももっと本気で「経営者になりたい」「リーダーになりたい」と思ってもらいたい、日本人が海外の人と一緒に仕事するようになって最悪なのは、日本人が使われる側になってしまうことであり、そうなってはいけないとしているのは、もどかしさの表れとも見え、よく理解できる。

ビジネス環境での競争に関しては、男女の格差問題もあり、米国で、フェイスブックのシェリル・サンドバーグCOOの「Lean In: Women, Work, and the Will to Lead」の本が話題を呼んでいる。

シリコンバレー在住のコンサルタント海部美知さんも紹介しているように、タイトルは、女性が仕事の場で何かと謙遜して遠慮(hold back)する傾向があるので、そうではなく勇気を出して身を乗り出そう(lean in)という意味である。

米国でも企業や政府の幹部での女性比率がここしばらく増えず、膠着状態が続いているらしく、また、「社会的に成功する」ことが、男性では好感度をプラスする方向に働くのに、女性ではマイナスになってしまうという。

上手に「Hold back(遠慮)」しなければ、ただ嫌われるだけでなく、就職面接で採用されなかったり、同僚女性にいじめられたり、上司に疎まれて仕事を干されたり、あるいは恋人ができない、結婚できない、という現実の不都合が起こることを、本能的に知っているのだというが、米国でもそうなのかと、改めて驚かされる。