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産総研が中心になり、日本経済再生に向けた産業技術戦略のありかたを有識者と考える「日本を元気にする産業技術会議」の最終報告シンポジウムが25日開かれ、提言内容を踏まえた基調講演やパネルディスカッションが行われた。

前半の基調講演は、新日鐵住金(株)の三村取締役相談役が、産学官の産の立場から、カーネギーメロン大学ロボティクス研究所の金出教授が学の立場からのプレゼンテーションであったが、特に後者の、日米の違いに関する所が参考になると思う。

後半のパネルディスカッションでは、科学技術振興機構の相澤顧問、産業戦略研究所の村上代表、帝人(株)の長島取締役会長、産総研野間口理事長、及びモデレータとして日経新聞の滝論説委員の構成で行われていた。

ところで、提言は、「“もの”、“こと”、“ひと”づくりで日本を元気にしよう!」というスローガンのもとに、

(1)俊敏なオープンイノベーションの推進によりグローバルな成長市場をつかめ
(2)グローバル課題の解決に率先して挑み、世界が必要とする新しい価値を創造しよう
(3)ものづくり一辺倒から脱し、新しい価値づくり(ことづくり)重視への転換を目指そう
(4)イノベーション拠点を国内に創設し、産業のグローバル展開が国内にも高度人材の雇用を増やす成長の道筋を見つけよう
(5)プロデューサー型の才能を育て、人材の開国を急ごう

の5つを柱にしている。

特に、最近のアップルのiPad適用部品が日本製から韓国製に多く置き換えられた事例のように、品質や性能など製品価値だけでは市場で優位を保てず、日本の産業はものづくり一辺倒を超えて、ユーザーに新しい価値の発見と満足をもたらす、価値づくり(ことづくり)産業への転換を果たさねばならないとしているのは、改めて尤もと思う。

米ゼネラル・エレクトリック(GE)はジェットエンジンを売るのではなくリースし、航続距離に比した課金で利益を得ており、ユーザーは買い取りに比べ少ない資本とリスクで便益を手にし、GEは製品の遠隔監視によって顧客や市場の情報を迅速に得てメンテナンスでも収益を得るというビジネスモデルを取っているのはよく知らている事例であり、コマツの「コムトラックス」システムの例なども含め、このような事業構造にもっていかないと、今後さらに、韓国、台湾、中国ほか低価格攻勢に潰されていく恐れが増々強まっていくという危機感を抱かせるシンポジウムであった。