

有力な自然エネルギーの一つとして風力があり、先日の日経にも、日本の風力発電は潜在力が高く、導入可能量は太陽光発電の13倍に達し、これまでは採算性に難色を示す事業者も多かったが、固定価格買い取り制度が施行されたことで、風力発電所の大規模開発プロジェクトが相次いで立ち上がっており、さらに今後、風力発電の潜在力をフルに生かすには、洋上風力発電の拡大が不可欠であり、コスト低減などの課題が残る中、開発に着手する日本企業も登場している、という状況が紹介されていた。
風力発電には「風任せ」で出力の変動が電力系統に負荷を与えるという問題があるが、電力会社の広域運用と気象予測システムを組み合わせれば解決が可能とされている。
建設前に実施する環境影響評価(アセスメント)の点で、2012年10月から、総出力1万kW以上の風力発電所が環境影響評価法(法アセス)の対象になるため、アセス後に許認可や建設工事を経て操業することを考えると、操業開始の6年以上前にアセスを開始する必要が出てくるわけで、事業の実現性が不透明な段階での1億円以上の支出は大きな負担となりかねず、風力発電の導入を遅らせるという懸念は存在するようだ。
山がちな日本は風況が安定せず、平地に設置する際には住民に対する騒音や低周波などの配慮が必要となるが、洋上風力発電では、風を遮る障害物がなく、より安定した発電が可能になり、騒音、振動、景観といった影響も少ないメリットがあるとされている。
一方、陸上に風車を設置する際の一般的なコストは、1kW当たり約30万円に対し、洋上の場合、海底の土台に風車を設置する着床式ならその倍の50万~60万円、海上に風車を浮かべる浮体式はさらにその倍の100万~120万円かかると言われており、建設やメンテナンスにかかるコスト面が課題となるようだ。
風力発電自体については、風力発電が15.7%を占めるスペインで有効性を実証済みであり、不安定電源でなく出力予想が可能な変動電源とされており、ヨーロッパや中国を旅して、風力発電設備が延々と続く風景を見ると、現実味が大きく感じられる。
もう一つ、原発事故にも関連した事業、イノベーションにロボットがある。
現代の製造業は、組み立てラインの自動化を担い、メーカーが他社との差別化を図れるように、柔軟な製造調整やオンタイム出荷などに貢献するなどのロボットの力なくしては立ち行かないのは明らかだが、従来、ロボットを人間から隔離した場所に配置し、防護用の柵で囲う必要などがあった。
組み立てラインのロボットが進化し、近くに人間の作業員がいることを検知して、必要に応じてその作業員に従うような能力を備えれば、人間に傷害を負わせるリスクを排除できる上に、作業者と並んで仕事をこなして生産性を今以上に高めることが可能になる、“協働ロボット”の新たな時代が幕を開けることになるとEE Timesの特集記事が報告している。
協働ロボットは、自動車や航空宇宙などの分野の製造業に変革をもたらすはずであり、ヘルスケア分野のようなメインストリームの市場にも自動化をもたらすだろうと予測されている。
協働ロボットは、食事やかゆいところをかくなど、高齢者や障害者のあらゆる動作を補助し、そうした人々が独力で自宅での生活を送れるように支援できると期待されている。
米国のオバマ政権はNational Robotics Initiative(国家ロボットイニシアチブ)を立ち上げ、協働ロボットの利用拡大を推進しようとしており、別に進める5億米ドル規模のプログラム「Advanced Manufacturing Partnership(先端製造パートナーシップ)」と連携し、労働生産性を向上させることで“米国に製造業を取り戻す”べく、協働ロボットの利用を促進しているらしい。
米国防総省(Department of Defense:DoD)も協働ロボットのイノベーションの推進を図り、国防高等研究事業局(Defense Advanced Research Projects Agency:DARPA)において、「Robot Challenge」と呼ぶプログラムを今年遅くに立ち上げる予定で、このプログラムでは、ロボット開発者らが200万米ドルの賞金を目指して災害復旧用途に向けたロボットの開発を競うコンテストを開催、目標は、災害地に入り込んで人命救助のために半自動で仕事をこなす協働ロボットだという。
さらに、Rethink RoboticsやRedwood Roboticsといったロボットベンチャーが、立体(3D)視の機能を搭載し、新しい作業を複雑なプログラムでの制御によってではなく、人間の作業を見て学習するロボットを開発中らしく、この領域のイノベーションは軍事面も絡めながら大々的に進みつつあると思われる。
日本のロボット産業は実績、技術面で評価が高く、この協働ロボットがカバーしようとする領域でも先頭争いを続けてほしいと思う。