
一方、海外からの視点ではどうだろうか。
在米の作家・ジャーナリスト冷泉彰彦さんは、これだけ大きな増税を世論の前向きな覚悟とともに合意ができるのであれば、そのことの説得力と言うか、ある種の重みというのは出るし、それが国債や通貨の暴落阻止として効果を持つことになるのだと思うとしている。
仮に増税で財政が好転し、金融政策で「理不尽な円高」にストップがかけられたとして、そこで政策としてはどんな方向を向いたら良いかの点については、まず、必要な歳出カットを進め、歳入増と合わせて財政規律の確保を確かなものとすべきであり、次に、歳出については「中長期のリターンとしてのGDPへの寄与」という観点でプラスのものに限るべきであり、最後に、財政と為替が現在より適度な範囲で好転した時期を一定の期間確保したとして、そこで「一息ついた」余裕は、中長期ベースの抜本改革へと回すべきであるとしている。
いずれにしても、ヨーロッパやアメリカが深刻な財政危機を抱える中で、財政規律へと明確に歩み出した日本を市場は注視しており、国内政局の人間ドラマを見物している余裕はない筈だといのは、尤もだと思う。
ムーディーズのシニアバイスプレジデント、トーマス・バーン氏は、法案通過は日本国債にとってポジティブとの見方を示したが、ムーディーズをはじめとする格付け各社は増税法案の通過は財政再建に向けた最初の一歩に過ぎないとの見方を示していた。
WSJ日本版社説では、過去20年間にわたって消費増税を政治家に働きかけてきた日本の財務省がついに、思い通りの結果を手に入れ、これにより官僚はさらに大きな力を握ることになるとしている。
これで優位に立ったのが、民主党内で造反を主導した小沢一郎氏で、その駆け引きのうまさから「闇将軍」として知られる同氏は民主党を離党し、新党を結成するとみられているが、小沢氏への国民の支持は、4月に政治資金規正法違反事件で無罪となったこと、消費増税に長年反対してきたことなどが好感されて高まることもあり得るとみている。
そうなれば日本にとっては朗報で、小沢氏は減税と官僚制度改革に的を絞った新党設立のために自民党からの離反者を取り込んだり、選挙戦術を駆使したりするかもしれず、経済政策をめぐる論争がついに公の場に移され、1980年代のバブル崩壊からずっと問題を先送りにしてきた一連のコンセンサス主義の短命政権とは違う選択肢が有権者に与えられるかもしれないとしている。
造反議員たちが慰めを見出せるとしたら、それは国民の間で広がっている無駄な政府支出や失敗に終わったケインズ主義的な景気刺激策に対する不信感で、既得権益という時限爆弾は早急に処理されるべきであり、景気回復は規制緩和によって実現されるべきであり、さもないと日本はギリシャのような危機に直面することになるだろう、今の日本に欠かせないのは、こうした議論を始めることであるという。
国内の小沢氏に対するメディアの評価より高いのが目立つ。
一寸、違和感を感じるとともに、実は国内メディアに洗脳されているかもしれないという別の思いも出てくる。