今年最も印象に残ったことの一つに、アップルの共同創業者スティーブ・ジョブズ氏の死去がある。
最近、ハンガリーのブダペストに、3Dソフト開発企業グラフィソフト社の依頼でジョブズ氏の銅像が建てられ、同社の創設者ガボール・ボヤール氏が、「ジョブズ氏の革新者および起業家としての偉業に大いに影響されるとともに、自身が実業家として成功するもとになった」と述べたという報道があったのを思い出す。
ジョブズ氏のいなくなったアップルが、今後どうなっていくか、少なくとも暫くは、ジョブズ氏の精神を継承しながらやっていけると思うが、リスクは、グーグルとの争いになるのだろう。
例えば、先日、アップルとグーグルが共に、「ウェアラブル・コンピューター」の開発に取りかかっているとニューヨークタイムズが報じている。
アップルは、腕にガラス製のバンドをつけ、その中にiPodナノのような小型のコンピュータ機器が内蔵され、それがスマートフォンと刻々とブルートゥースなどを経由してデータをやり取りし合うという時計タイプのウェアラブルコンピューターのプロトタイプを作成済みのようだと報道されている。
アップルのiデバイス製品がすべてそうであったように、これもまた、TV、Mac、iPad、iPhone、その他のサポート製品がすべてコントロール可能になるもので、アップル全体のビジネスを回していけることを志向したものと思われる。
すでに iCloud を使って自社製品の統合を目指しているのは間違いないので、コンテンツがすべてのデバイスから共有され、この中に、ウェアラブル・コンピューターも位置づけられるのだろう。
一方、グーグルもMIT 出身のウェアラブル・コンピューターの専門家Richard DuVal 氏を雇い入れ、「コンピューターメガネ」を開発中と言われ、「Google X」ラボではすでに試作段階の後期にあると報道されている。
コンピューター画面はレンズ上に投影されるようになっており、コントロール用ボタンがメガネの柄の部分に取り付けてあり、メガネ内では Android OS が作動していて、直接インターネット上のサーバーに接続可能というものだという。
アップルとグーグルの直近のつばぜり合いに関しては、Android端末の急速な普及に伴って、HTCとサムスン電子製が同端末の2大メーカーとして、スマートフォン市場においてシェアを拡大させているのに対し、アップルは、HTCやサムスン電子に対して、特許侵害訴訟を起こし、販売差止めに持ち込むことで、両社の最新のスマートフォン機種の市場投入を阻止する動きを強めている。
こういった動向の中に、日本メーカー、日本製品の姿が薄いのは、一寸残念である。
