再生可能エネルギー特別措置法で、フィード・イン・タリフ(全量固定価格買い取り制度)日本版が20127月から始まるわけであるが、日経BPクリーンテック研究所の記事にあるように、火力や原子力に比べて「再エネは力不足」というのが現実で、発電コストは割高で、太陽光や風力は気象条件などに左右され、大量設置に必要な敷地確保の問題などを抱えている。
 
新エネルギー関連産業(太陽光、風力、太陽熱、燃料電池、蓄電池、省エネ住宅・建築物など)の世界市場規模は、2010年の303000億円から2020年には86兆円と、10年で2.8倍に拡大するという試算が、経済産業省の「新たなエネルギー産業研究会」の新エネルギー産業の展望に関する中間報告(9月)に記載されている。
 
ところで、直近の状況では、太陽光発電システムの市場については、2010年に世界の約8割を占めた欧州市場が急激に縮小、米国や中国の市場が伸びてきていると日経記事にも報告されている。
 
欧州太陽光発電協会(EPIA)によると、欧州市場は2011年に前年比で約36%減少する見通しで、2012年はさらに悲観的で、同20%減と縮小し、政策で導入を促進してもマイナス成長になるとEPIAは予測しており、世界最大手の中国Suntech社等中国メーカーは欧州市場以外に活路を見いださなければ成長できない状況とされているようだ。
 
一方、風力発電は、風車、発電機、軸受けなど部品点数が23万点におよび、関連企業の裾野が広く、100kWの建設・メンテナンスで2万人以上の雇用創出効果があるとの試算もあるようだ。
 
特に、風量が豊富な海上に風車を設置する洋上風力発電は、風況や地形などに基づいた環境省のポテンシャル試算では、陸上の28300kWに対して洋上は157000kW5倍以上に上るという。
 
風車の脚部を海底に固定する「着床式」と、海上に浮かべた浮体上に風車を設置する「浮体式」の2つの方式があるが、日本は英国などと違って遠浅の海が少ないため、中長期的に見たとき、日本でのポテンシャルが大きいのは浮体式という見方が多いようだ。
 
太陽光、風力以外にも、太陽熱、燃料電池、蓄電池、省エネ住宅・建築物など関連事業の可能性は高く、今後の技術開発の推進が期待されるが、グローバルな環境での競合が激しく、重点化と絞込みで先行を図る必要があると思う。
 
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