一時のゆとり教育からの反省からか、最近また教科書が分厚くなってきているらしい。
 
私のような終戦直後の世代は、中学、高校とも、結構かさばって重い教科書や辞書をカバンがふくらんで壊れそうな格好で持ち歩いていたのを思い出す。
 
大学も、文系と違って理工系では、授業の時間も多いし、教科書も相変わらず重かったと記憶している。
 
今も基本的には変わらないのかもしれないが、Businessweek誌の記事によると、サンフランシスコの新興企業インクリング社が、米出版大手マグローヒルの生物学教科書「Brooker Biology」ほか数十冊の、タッチパネル画面で読めるiPad用デジタル教科書を開発、今年の秋から提供するとの事である。
 
この製品の特長は、既存の大手出版社が合弁で設立した米コーススマートのように、紙版の教科書をスキャナーで読み取っただけのものと違い、人間の心臓を描いた3次元図を指先で操作して回転させることができたり、細胞の共輸送機構などの複雑な仕組みを動画を用いて解説したり、知識を定着させるために、クイズ機能を利用することもできるというように、インタラクティブな機能を装備している点にあるようだ。
 
創業者のマット・マッキニス氏(31歳)は、8年間、アップルで様々な教育事業を担当した後、2009年にインクリングを創業しており、50人以上のプログラマーと教育学の専門家を擁するチームを編成し、マグローヒルや英ピアソンのような出版大手と連携、デジタル教科書から上がる収益を版元の出版社と分配する計画としているらしい。
 
米国教育出版企業にとって、オンライン書籍レンタルサイトを運営する中古本市場の拡大は脅威のようで、デジタル教科書は歓迎されるようだが、日本の出版事業業界では、このへんはどうなのだろうか。
 
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