アップルの業績が相変わらず好調だが、株主ほかステークホルダーの一抹の不安は、ジョブズCEOの健康問題だろう。
 
良くも悪くもジョブズCEOのカリスマ性、事業センス、経営手腕に負うところが大きいためである。
 
コーン・フェリー・インターナショナルのアジア・パシフィック地域最高顧問ほかキャリアに関する著書を多数執筆している橘・フクシマ・咲江氏が、ブログで紹介しているように、組織にはライフサイクルがあり、その段階によって適任のリーダーの要件が変化するという。
 
第一期:創業者リーダー
創業期には「創造性と実行力のあるリーダー」が必要で、スティーブン・ジョブズ氏が典型的な例である。
企業が成長し一定の規模になると(大体100人位)組織には骨組みになる人事や財務といった専門家が必要になり、そうした「人の集合である組織」を管理できる次の期の「管理者的リーダー」が必要になる。
 
第二期:管理者的リーダー
創業者リーダーでこの段階へと進む人もあるが、往々にして創業者社長は管理より新規のビジネスと成長への関心が高く、強力な補佐役がいない場合には、選手交代となることも少なくない。
管理者は大企業での仕組みづくりや組織管理の経験のある人が適任のようで、アップルでは大企業経験者であるペプシコのスカリー氏が招聘されたが、管理者的リーダーは、仕組みを入れるとその安定に力を入れる傾向があり、組織は安定すると同時に官僚化する傾向があるため、成長が止まることが往々にしてある。
ここに、「変革者(change agent)」の登場が必要になる。
アップルではスカリー氏が管理者的リーダーであったため、次の成長のために変革者として、外で経験を積んだジョブズ氏が戻ってきた訳である。
 
第三期:変革者リーダー(change agent
変革者は第二の創業をなす訳であるが、既存の組織を管理する必要もあるので、創業者的要件と管理者的要件の両方を満たす必要がある。
 
この「創業者」でありながら、「大きな組織で結果を出せる人」という人材は普通中々得られない。
 
大企業にあって優秀と呼ばれる人も、特定企業の優秀な部下のインフラの上で長年仕事が出来るという恵まれた状況にいる人が多く、どうしても決まった箱の中で有能なスキルと、全く未知の世界でどう動くかのスキルに差があるようである。
 
ジョブズCEOはこの稀な人材の代表格であり、それが故に、ポストジョブズCEOの課題はアップルにとって難問のように思う。
 
私達の周辺に近いところでも、規模や内容が違っても似たような問題を抱えた企業は少なくなく、やはりアップルの今後の動向が注目される。
 
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