今回の大震災で、人材、資産の甚大な被害はストック面で大きなマイナスをもたらす一方、特に原発のダウン、停電はフロー面で今後どこまでマイナスの影響を与えていくか心配である。
 
経済見通しに関し地震発生直後であるが、経営コンサルタント小宮一慶さんによると、今回の震災で、13月のみならず4月以降の景気の状況も厳しいものが予測されるとし、自動車、電機、鉄鋼など幅広い業種で生産がストップ、縮小しており、原子力発電所や火力発電所が被災しているので電力量が回復するにも時間がかり、関東では、電力やガソリン不足により通常の業務ができない企業も増えていて、東京やその近郊では電車が通常の半分から7割程度しか動かず、業務を早く切り上げざるを得ない企業も多くあるといった状況が長期化すれば、企業は生産を国内外の他の拠点に移転させてしまう可能性もあるとしている。
 
企業業績へのダメージも大きいので、消費や雇用に対する影響も小さくないし、回復過程に入りつつあった日本経済には大きなダメージとなる恐れが大きいと言わざるを得ないだろう。
 
一方、原発の見通しに関しては、海外からの視点として、米エネルギー省(DOE)のスティーブン・チュー長官は、インタビューで、原子炉について「一段と制御された状態にある」と述べ、日本政府と東京電力は事態収拾に向けて「大きく進展している」と評価しているようだ。
 
また、著名な投資家ウォーレン・バフェット氏は、大震災に向かっての日本人の復旧への努力に感銘を受けており、日本企業への投資が弱まることを明確に否定の上、長い歴史の中で日本は常に様々な困難を乗り越えてきた点を上げ、日本経済について今後10年間で新たな高みに達すると信じていると話しているらしい。
 
ソニー会長兼最高経営責任者ハワード・ストリンガー氏も、日本の人々はいま大きな試練に直面しているが、きっと確固たる精神力で乗り越えられる、今回の危機の前にも、日本人は経済の低迷と景気後退に耐えてきたし、日本人が持ち前の気骨と断固とした心持ち、「不屈の精神」(never give up)で、この試練と痛ましい犠牲から以前よりも力強く立ち上がると信じていると寄稿している。
 
各種報道でも、日本人の落ち着き、他人を労わる精神などの美徳、力強さを見直す傾向が多く観られ、頼もしさを感じさせる。
 
今後、経済的には所謂復興需要も当然あるので、前向きな気持ちで臨みたいものと思う。
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