NRI(野村総研)が「ITロードマップ」と共に毎年恒例で出している「IT市場ナビゲーター2011年版(これから情報・通信市場で何が起こるのか)」を始め、各社から今後のIT市場予測が出ている。
 
IDCJapanでは、2011年の国内IT市場でキーとなる技術や市場トレンド、ベンダー動向などに関する10項目の予測を次のように発表している
 
①国内IT市場は2010年以降、緩やかな拡大基調にあるが、2011年は一時的に減速する
 
②インテリジェント・シティの具体化に向けたプロジェクトが始まり、業種を超えた国際標準化を目指し主導権争いが激化する
 
③スマートフォン、クライアント仮想化の普及が、PCを含むクライアント環境に地殻変動を与える
 
④端末が牽引するモバイル・ソリューション市場で、固定系のソリューション提供力を持つ事業者が市場機会を得る
 
⑤ビジネス変化への対応スピードによってユーザー企業が二極化し、ハードウェア・ベンダーはビジネス戦略の再構築を迫られる
 
⑥スマート・ディシジョンに向けた次世代ビジネス・アナリティクス環境と企業のIT基盤の融合に向けた基幹システムの刷新が加速する
 
⑦オフショアを超えた「グローバルなサービス提供体制」と、多拠点からのサービスを連携/統合する「スマートサービスインテグレーション」が進む
 
⑧クラウドの発展がICTベンダーにさらなる試練を与える(競争力を持てなかったベンダーの淘汰)
 
ITサービスの複合化/多様化、および国内市場の競合激化に対応するため、技術や規模の確保を狙ってM&Aが加速する
 
HCP(プリンタおよび複合機)ベンダーからソリューション・ベンダーへの転換が本格化する
 
ところで、シリコンバレーを中心とするネット産業が来年以降にどのような方向へ進んでいくのかを、シリコンバレー在住のコンサルタント海部 美知さんが論じている。
 
2004年のワイヤード誌の記事「ロングテール」で、「ウェブ2.0」の理論的支柱の1人となった同誌の編集長、クリス・アンダーソンが「The Web Is Dead. Long Live the Internet(ウェブは死んだ)」と題する記事を出し、自由でオープンなウェブの世界は終焉し、アップルやグーグルのような、少数のパワフルな大手企業が支配する「クローズド」世界へと移行しつつあるという。
 
色々指摘されている「クローズドと集中」への流れには、「ネットのユーザーが大幅に増加し、大衆化した」点、及び「需給のひっ迫によって『通信のコスト』が変動する」という2つのポイントがあるとしている。
 
ただし、ネット企業の中で、グーグル、アップル、フェースブックに権力と富が集中すれば、当分の間、ベンチャーはやりづらくなるが、ユーザーには安定したサービスが提供され、また供給側にとっては長期的な見通しが立てやすくなり、ブロードバンドやクラウド・インフラへの投資、新時代に合ったOSの開発などといった回収に時間がかかる投資もしやすくなるというメリットもあるようだ。
 
集中の弊害が出てくる時期になれば、焼け野原に芽吹く新芽のように、ベンチャーが活躍するようになるという見解は、まさにシリコンバレーの土壌、雰囲気の中から出てくるものだが、国内からもこのような信念が出てきて欲しいものと思う。
イメージ 1