毎日猛暑が続き、熱中症による死者も連日ニュースになっている。
こういう時は、ノンビリと昼寝の時間をとって休養に努めるのが一番と思い、東野圭吾の加賀恭一郎シリーズを読み通してみた。
大学4年の時の「卒業」、警視庁捜査1課時代の「眠りの森」、「悪意」、練馬署時代の「どちらかが彼女を殺した」、「私が彼を殺した」、「嘘をもうひとつだけ」、「赤い指」、さらに最新作でTVドラマ化もされた日本橋署での「新参者」と8作が刊行されている。
特に、「私が彼を殺した」は、本編で真犯人の特定がされず、読者への挑戦状のようなスタイルで、巻末の「推理の手引き」(袋綴じ解説)合わせて読者に推理させるようになっている。
実のところ、一読しただけでは真犯人は判らなかったが、本格ものとしてもレベルが高いと感じた。
こういうシリーズものでは、主人公のキャラクターが如何に魅力的かが長続きする条件と思うが、隙のない鋭い人間観察眼が基本にあり、学生時代から剣道で鍛えた長身痩躯の風貌、全編を通してクールな判断力とともに犯罪者に対しても優しさや思いやりを失わない深さなど相当魅力的な人物像が出来上がっている。
父親に対しての多少鬱屈した背景なども巧みな構成を演出しているように思う。
また、最新作の「新参者」では、事件の周辺にある様々なドラマを事件本体と絡ませながら、とき解いているのは新しい局面でもあり、主人公の人情味がさらりと描かれている。
又、このシリーズの続編が出てくるのが待ち遠しい作品である。
