東京大学特任教授の村沢義久さんが、シリコンバレー発電気自動車ベンチャーのテスラ・モーターズの紹介をしている。
発進から時速96kmまで3.9秒という加速性能を誇る「ロードスター」モデルは、1000万円もするスーパーカーだが、2番手として、7人(大人5人+子供2人)が乗れる本格的なスポーツセダン「モデルS」の発売を計画している。
トヨタのプリウスで問題になったブレーキに関しては、「Standard」モードの場合、減速時にモーターを発電機に早変わりさせて、クルマの運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、その際に生じる制動力をブレーキに利用する回生ブレーキがアクセルを離しただけで即作動し、信号近くで、アクセルオフにして惰性で走ろうと思っても、計算以上に減速が速いため戸惑う程らしい。
ドライバーが違和感を感じた場合には、設定を走行重視の「Performance」などのモードに変えれば、オートマチック車と同じような運転感覚になるという。
日本メーカーの電気自動車で、標準の「Drive」モードでは、「オートマチック車と同じ感覚になるように」設定されており、ブレーキペダルを軽く踏めば回生ブレーキが、さらに強く踏みこめば油圧ブレーキが利くように設定されているのと一寸異なるようだ。
プリウスで問題になったのは、この回生ブレーキ、油圧ブレーキの制御にABS(アンチスキッド・ブレーキ・システム)を加えた、計3つのシステムを巧みに使い分ける構造となっているが、3システム間の調整に不備があり、2つあるブレーキシステムのどちらも利かない状態が生じる点にあったらしい。
このような節電対策もあり、特にエコドライブではない「普通の走り」でほぼ300kmの航続距離を実現できるというのは、魅力的に感じる。
現在の電気自動車やハイブリッド車に使われているモーターの主流は交流であり、三菱自動車(「i-MiEV」)、日産(「リーフ」)、トヨタ(「プリウス」)を含むほとんどのメーカーが起動時のトルクに問題のない「永久磁石同期型」を使っているが、レアアース(希土類)のネオジムという材料が高価な点に問題があると言われている。
この点、テスラは最近のインバーター技術の向上を活かし、誘導モーターの起動トルクを大きくする制御を使って回避しているようだ。
ただ、EVの共通の弱点は暖房にあり、電気モーターは効率が良いため熱はほとんど発生しないため、暖房のためにはわざわざ熱を発生させる必要があり、それが燃費を悪化させる点は残る。
今後、ハイブリッドとEVは、国土の広さや充電インフラの整備などの条件から、かなりの間共存していくように思うが、いずれにしても、EVがいよいよ本格的に登場し、内燃機関の時代から大きく歯車が回転していくのは間違いないだろう。
