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トヨタのリコール問題を巡る米議会公聴会が終了したが、2月の米新車販売の速報では、フォードが44%増、GMが13%増など市場全体が13%伸びたなか、トヨタのみ9%減で一人負けと厳しい状況にある。

ギャラップの世論調査で、トヨタ車の保有者のうち安全と認識しているのは82%とまだ比較的レベルを維持している一方、非保有者では53%に減少し、逆に36%は安全でないという認識の報告も出ている。

最近、野村総研から出た「環境を軸としたブランド戦略のポイント」によると、ハイブリッド車のブランド価値について、「環境」という消費者に安心感や親しみを連想させるイメージの堅実因子に加え、「先進」「知性」を中心とする洗練因子も兼ね備え、非常に特殊なブランドイメージを築いているという。

確かに、プリウスが米国の富裕層のセカンドカーとして選ばれ、アカデミー賞の授賞式に高級リムジンでなくプリウスに乗って現われるなど、「エコセレブ」と称される人達は、実生活でもプリウスに乗っており厚い支持を得ていた模様である。

今後想定される集団訴訟などもあるが、トヨタが2,3年かかっても信頼感、ブランド力を回復させ、早くビジネスの軌道に戻れるのを期待している。

ところで、ハイブリッド(HEV)、さらに電気自動車(EV)は「環境」におけるキーワードであるが、中でもスマートグリッドでの蓄電池としての役割が脚光を浴びようとしている。

GEとグーグルの発表によると、クリーンエネルギーの技術開発で提携を結び、次世代電力網と電気自動車のインターフェイスの開発と、再生可能エネルギー・電気自動車・家庭の電力使用を効率的に管理することによる電力使用量の削減を図ろうとしている。

電力会社の巨額の設備投資に根ざした既得権益を壊さない限り、電力使用量を減らして自らの設備投資を削ることになるようなスマートグリッドの本質を実現するような「破壊的イノベーション」は起こらないのではないかと、日系・外資系の大手運用会社で20年以上に渡りファンドマネジャーとして資産運用に携わった立田博さんが論じている。

米国オバマ大統領の政策ブレーンには、もともとグーグルやフェースブックをはじめとした新興IT企業群や新興企業に投資しているベンチャーキャピタリストが多いとされ、彼らが新しい成長産業として環境ビジネスに注目していることが、オバマ政権が環境政策を強力に推進する背景だという見方があり、世界金融危機後の財政政策の目玉として地球温暖化問題を利用することで、国民の理解も得やすいという側面も無視できないという。

また、地球温暖化そのものについても、昨年11月、温暖化を主張するIPCC(気候変動に関する政府間パネル)研究者らの「メール漏洩事件」により、CO2と気候変動の因果関係を結びつけるために数字にトリックを使ったことが明らかになり、今年1月には「ヒマラヤ氷河が2035年にもなくなる」とした2007年の報告書の科学的根拠が不十分だったとしてIPCCが誤りを認めるなど、その科学的根拠が怪しくなってきた面もある。

新しい成長産業が見当たらないためや、各国政府が大規模な公共投資を正当化するため、また環境規制を手段にして外交・軍事も含めた国際政治力学の変化を狙うため等々の、多分に政治的な意図が背景にあるというのは、必ずしも穿った見方ではないように思う。