


最近のCNETに、「米陸軍が表彰した2008年の技術」の記事が載っている。
陸軍の軍人たちは、戦場での現実に対処するために、支給された装備に手を加え改良する方法を見つけることで知られており、それには多くの場合、豊富にあるダクトテープを使うらしいが、より優れた装備を開発するためにも、多大な努力を払っているとのことで、米陸軍は、「2008年の優れた発明トップ10」という形でそうした作業のいくつかをたたえ、2008年に米陸軍に配備された装備を表彰している。
その中に、米陸軍武器研究開発技術センターによって開発されたCROWS[Common Remotely Operated Weapon Station(一般遠隔操作武器ステーション)]と呼ばれるものがあり、従来は、HMMWV(ハンヴィー:High Mobility Multipurpose Wheeled Vehicle = 高機動多用途装輪車両)に乗っている兵士の1人が立って屋根から顔を出し、屋根に取り付けられた機関銃を操作していたが、ここにいると非常に攻撃されやすく、また車両の転覆時に負傷する確率が高いのに対し、CROWSを使えば、兵士はHMMWVの中から遠隔操作で屋根上の武器の狙いを定め発砲することが可能になるという。
米陸軍は銃の遠隔操作システムの開発を続けており、現在は「CROWS II」と呼ばれるモデルの配備を進めているそうで、例えば、耐地雷待ち伏せ防護(mine-resistant, ambush-protected:MRAP)車両など、射撃手はディスプレイを見て射撃操作する。
これに限らず、戦闘に直接身をさらす危険を極力減らそうという努力が他にも見られ、ある意味で兵器のITによる仮想化とも言える状況にあるようだ。
兵器自体の意味合いは別にして、これほど性能を極限まで追求しながら一方で安全性を配慮せざるをえず、トレードオフが難しい製品は稀かもしれない。
第2次大戦で、名機と言われた戦闘機「零銭」が、性能を追求するあまり極端な軽量化のために被弾された場合の防御面が極めて弱く、後半になって撃ち落とされることが多くなった話も想起され、開発コンセプトの重要さを改めて考えさせてくれる。