
小型太陽電池パネルは、高速道路の標識や携帯電話の基地局の電源など用途が拡大しつつあり、また、アジア、アフリカなど電化が遅れている地域の分散型電源としての需要も期待されているようである。
用途に合わせて様々な形状や大きさのパネルが求められ、多品種少量生産のノウハウを持つ中小メーカーが主要なプレーヤーになっているのは楽しみである。
太陽光発電は、一般的な発電方式よりもまだコストが高いが、大量生産を進める一方、補助金や電力会社による買取などの助成策は、コスト低減と普及を進める効果があると期待されている。
欧州では2020~2030年に現在の火力並の発電コスト達成を目指し、米国はそれよりもさらに速く、2015~2020年頃の到達を目指しているが、日本では2030年までの到達を目標としていたのを近年の世界情勢の変化を受け、計画の前倒しを進めようとしているようである。
日本でも、7月に成立したエネルギー供給構造高度化法に基づく措置として、太陽光を利用して住宅や事業所でつくった電力について、電力会社が通常の電力より高値で買い取る制度を始めるための関連政令を閣議決定し、11月から実施されることになっている。
国家レベルで考えると、米国オバマ大統領のエネルギー戦略は、エネルギー安全保障という考え方のもとに、太陽光発電、風力発電といった自然エネルギーを大量に導入し、それをスマートグリッドで制御することによって、アメリカの情報産業、特に、Google的なクラウドコンピューティングの先の世界を作ろうとしているといわれる。
日本は、エネルギー自給率が5%では、多少努力したところで全く無意味だというあきらめの境地からか、エネルギー安全保障という観点が希薄のようである。
しかし、化石燃料や炭素排出権の購入量の減少、価格相場の低下、価格乱高下のリスクの低減、国内で生産される製品の付加価値向上、国際政治における発言力強化などを通じて、経済的・政治的にも広く深く利益をもたらすことが見込まれるわけで、こういう観点、視野での取り組みも進めてもらいたいものと思う。