イメージ 1

米国の失業率に改善の兆しが見え始めたりして、米国、日本の株式市場がやや上向いてきている様子が見える。

まだとても一本調子の回復、成長への回帰には時間がかかると思うが、ユーザ、購入サイドとしても明るさが感じられ始めているのは、結構なことと思う。

今回の世界不況を通った後、各国のポジショニングは色々微妙に変わるだろうという気がする。

先ず、従来の1極中心としての米国は、相当にパワーを失い、成長の機関車役を担い始めた中国が、米国債の購入・保持を通じて等影響力を強めている。

G2時代の到来などというのは先走りすぎで、中国の国内の民族間分裂、極端な格差の問題等にきざす不安定性、基本的に米国他への輸出に依存する構造モデル、人口の爆発的増大を防ぐためやむを得ずとられた一人っ子政策の副作用で今後急速に進むと考えられる少子高齢化など多くの問題点、リスクを内包しているように思えるが、今のところ、政治指導者たちには優秀な人材に恵まれているように見える。

一寸、企業レベルに観点を変えると、宮田秀明さん(東京大学大学院教授)が自動車産業に関し述べている中で、国営企業のようになってしまったGMが、その後どうなるかに関し、内需中心・大型車中心の自動車会社として縮小して生き残るという見方をしておられる。

小型車へシフトして、改めて世界戦略を描くという説に対しては甘すぎるとし、これまでもクライスラーの「ネオン」プロジェクト、GMの「サターン」プロジェクトなど、世界戦略の小型車プロジェクトは数多く起動され、ことごとく失敗しており、ビッグスリーの凋落の最初の兆しは1990年代前半のこの失敗に現れていたと言えるとし、軽自動車戦略の無かった日産は、軽自動車ビジネスのためにOEMビジネスを行っているわけで、軽の技術ではスズキに勝てないとしている。

メーカーに限らず、国のレベルでも、自分の実力を冷静に見極めたうえで、ある意味で、しぶとく着実に伸びていく努力が今後ますます必要になってくると思う。

少子高齢化で国力が弱体化していくというので、例えば、移民政策に大胆に舵を切っても日本人の国民性からうまくいかないように思う。

小黒一正さん[(財)世界平和研究所研究員、RIETIコンサルティングフェロー]の示してくれるように、少子高齢化の進展により、いまのところ、確実に日本経済は縮小均衡に向かいつつあり、団塊の世代もこれから本格的に年金の受け取り手になっていく中、このままでは、人口減少はこれからも日本経済にさまざまな歪みをもたらしていくことが予想され、外国人材の受け入れ拡充は、縮小均衡に向かう日本経済に一定の貢献を果たす可能性があるのは、多分間違いないだろう。

ただし、ご本人自身の言われるように、これはあくまでも経済学的側面のみに偏ったものであり、外国人材の積極的受け入れは、日本の文化歴史面や治安面も含め、最終的には「この国のかたち」そのものを決める問題でもあり、このため、冷静かつ慎重な検討が必要であることはいうまでもないだろう。

個人のレベルでも、自分の実力を別に卑小視するわけでは全くないが、見極めていくというのは、一方で成長を伴うため、難しい。

企業、さらに国といったレベルでは、その困難さは尋常ではないと思うが、歴史を紐解いても、クレバーと言われる国民はこれを実践しているのだと思う。