
Googleのブラウザである「Google Chrome」をベースとしたもので、立ち上げると即座にブラウザが表示され、ブラウザ内ですべてのアプリケーションが動く、非常に軽量なOSということで、すでにAcerやAdobe Systems、Hewlett-Packard、Lenovo、他の企業から協力を取り付けている。
低価格でネットワーク対応のコンピュータを目指すネットブックの動きをさらに活発化させることにもなるし、そうしたマシンでは現在、WindowsやLinuxが稼働している状況から、特にMicrosoftとの競争が新たに始まると考えるべきかもしれない。
「ブラウザが稼働するOSは、ウェブのない時代に設計されたもので、Google Chromeが自然に発展したものである新プロジェクト、Google Chrome OSは、OSはどうあるべきかをもう一度考える、われわれの試みだ」
と発表しているのは、Appleのスティーブ・ジョブズCEOが「iPhone」を発表した時、電話というものを再設計すると言っていたことを思い起こさせる。
各社が主戦場とみなしているクラウドコンピューティングの環境に早く地盤を築きたいとする動きは、今後、ますます激しくなっていくだろう。
ところで、Googleは、既にスマートフォン(多機能携帯電話)向けではアンドロイドというOSを提供しており、日本でも夏からNTTドコモが端末を投入している。
クロサカ タツヤさんによれば、制約の大きいケータイ端末に、リソースを大きく使うパソコン向けアプリケーションを移植するのは、一般のユーザーが思っている以上に容易ではなく、その点では、自らハードウエアの設計を行い、ハードウエアベンダーとしての立ち位置を確保している米アップルが作ったiPhoneに、まだ一日の長があるという。
また、今回グーグルは、“技術バブル”に翻弄されず、あわよくば技術バブルを作る側に自分たちが回る、という明確な意志があるのではないかという。
バブルとは、何らかの突然変異の種(あるいはそれを呼び起こす必然的要因)を基に、そこに火をつけ、煽ることで、人々の期待を高め、カネを呼び込むための、壮大な物語、芝居なのであり、マイクロソフトがOSを実質的に支配してから、パソコンの世界は基本的に、ソフトはマイクロソフト、ハードはインテルという、いわゆる「ウィンテル体制」にあるが、これは要するにバブルを恒常的に発生させるメカニズムだとしている。
今回のGoogleの発表が、ウィンテルが実現した構図を、グーグルとネットブック陣営のタッグで新たに作ろう、という戦略を持ったものとして、実際にうまくいきそうなのか、これがソウトウェア、さらにIT自体の世界の覇権争いに通じていくのはどうも間違いないように思う。