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日経新聞に、ヤマニ・サウジ元石油相のなつかしい名前が出ていた。

OPECの中心人物で2度の石油危機で名を馳せた当時のことを思い出したが、石油業界から事実上引退後も石油問題のシンクタンク「世界エネルギー研究所」を作ったり、当時の人脈は今も健在らしい。

この中で、石油の代替エネルギー源として、太陽光、風力、原子力のほか、特に水素エネルギーが最も影響が大きいと指摘しているのが目を引く。

ハイブリッド技術やバイオ燃料は石油の消費量を減らすだけだが、燃料電池などの水素エネルギーは石油を不要にし、これが実用化された時に、石油の時代は終わるとしている。

原油はまだまだ地下に眠っているし、コストをかけて新技術を使えば採掘は可能だが、時代は技術で変わる。

特に「石器時代は石がなくなったから終わったのではない。青銅器や鉄など、石器に代わる新しい技術が生まれたから終わった。石油も同じだ。」と言っているのは、この世界を知り尽くした人間の言葉だけに、印象深い。

発電と並んで石油消費の大きい自動車の代替エネルギーとしては、現行のハイブリッドからプラグインハイブリッドへ、さらにゼロエミッションと称される電気自動車(EV)がここ2~3年ほどの間に量産車として姿を現す状況になってきている。

今年から来年にかけて、三菱自(「i-MiEV(アイ・ミーブ)」)、富士重工業(EV「プラグインステラ」)、中国比亜迪汽車(BYDオート)、米ゼネラル・モーターズ(発電用エンジン搭載PHV「シボレー・ボルト」)、日産、米新興EVメーカーのテスラ・モーターズなどが、企業や自治体向けに先行して納入を開始していく動きにある。

最近のビジネスウィーク誌にも“Are Batteries in Electric Cars Safe?”と、電気自動車のリチウムイオン電池搭載に関し、安全性の問題を取り上げている。

わずか3年前に、ソニーが、何百万個ものパソコン用バッテリーを自主回収及び無償交換したのは記憶に新しい。

携帯電話やノートパソコンなどのモバイル機器用バッテリーで熱暴走が起こる確率は、電池セル500万~1000万個につき1個だが、技術の蓄積が少ないメーカーのバッテリーではもっと高くなると指摘されており、さらに、ノートパソコン用バッテリーに使われる電池セルの数は通常6個だが、EVは75~80個の電池セルを必要とし、それだけ問題も発生しやすくなるという。

バッテリーの電力量もモバイル機器とは大きく違い、しかも、欠陥があったとしても、すぐには見つからない可能性があり、実際、ノートパソコン用バッテリーの異常発熱による最初の発火事故は、ノートパソコンが普及してかなりの年月が経ってから報告されている。

メーカーも慎重にステップを踏んで市場投入を進めようとしているようで、トヨタは、リチウムイオン電池搭載のPHVプリウスを市販せずにリース提供のみとし、初回生産台数も500台に限定すると発表している。

しかし、長い時間軸で見た場合、いよいよ石油の時代が終わりに向かっているということが実感として感じられてくる。