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もう半年ほど前になるが、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)は、脳の活動から得た情報を基に、人間が見ている映像をコンピューター上で復元(再構成)することに成功したと発表した。

コンピューターがあらかじめ備えている1億通り以上の画像候補から、人間が見ている画像を正しく選べるだけでなく、候補には含まれていない幾何学図形やアルファベットの形も復元できたという。

やり方は、磁場と電波を使って人間の体内の様子をコンピューターで映像化する「磁気共鳴画像装置(MRI)」や、脳で発生する磁場の変化を計測する「脳磁計(MEG)」などを利用している。

この延長上には、ある意味で脳の活動をコンピューターで増幅することにつながる技術があり、脳の情報を扱うことに関する倫理面での問題も指摘されているが、こうした「BCI(ブレイン・コンピューター・インタフェース)」と呼ばれる脳力の増強につながる研究が現実化しているようである。

BCIとはとりもなおさず、脳とコンピューターを直結する技術であり、人間の考えたことがそのままコンピューターに伝わり、コンピューターで処理した結果がそのまま人間の脳に伝わるようにすれば、使い勝手の問題を解決できるという発想からきている。

BCIの研究は初期段階にすぎないし、あくまでもキーボードやマウスなどの代替という限界、性格も持つが、人間にとってのイノベーションの可能性が劇的に高まるという期待が持たれているようだ。

日経BP社の「未来をつかさどるイノベーティブな技術」のランキングでは、5年以上先に実現可能な技術という位置づけがされている。

この種の研究は、一歩間違うと倫理性から逸脱する恐れもあるが、一方、これに十分配慮しながら研究を進めてもらいたいものと思う。