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最近、本屋の店頭で目についた万城目学(まきめまなぶ)の「プリンセス・トヨトミ」を読んでみた。

会計検査院始まって以来の切れ者であるがアイスクリームに目がないという一寸変わった調査官副長をリーダーに、一見冴えないがこれも一寸変わった特技を持つ調査官と、他官庁から出向で調査官となっている大変に優秀な上ハーフの美人調査官の3人が、大阪府庁に検査に来たところから始まり、突如として大阪府で一切の営業活動、商業活動がいっせいに停止するという展開になる。

これに、地元の中学生男子(女子というべきか)とその父親、男勝りの女子が主要な登場人物で、荒唐無稽なストーリーといってしまえばそれまでであるが、井上ひさしの小説で、東北地方の一寒村が日本政府に愛想を尽かし突如「吉里吉里国」を名乗り独立を宣言するという、「吉里吉里人」を想起させる筋の面白さがある。

さらに、青春小説にも通じる一種の爽やかさ、父と息子の間に存在する何がしかの反感と逆に結びつきの強さなどが伏線になっている。

万城目学は、京都大学の学生生活をベースにした「鴨川ホルモー」や直木賞候補作にもなった「鹿男あおによし」などのヒット作品を出しているが、いずれも日常生活から一寸逸脱した展開が面白い。

なお、京都大学法学部出身で、芥川賞受賞者の平野啓一郎は1年上になるが、京都という土地柄が何か影響しているのだろうか。