
店からマスクがなくなったとかのニュースを目にすると、ずいぶん昔、オイルショックの際トイレットペーパーの買占めが発生したことを思い出させ、人の習性は変わらないものと思う。
今回のインフルエンザの毒性が弱く、一般の季節性のものと変わらないということが認知されてきて、政府、自治体の対応も落ち着き出しているのはありがたい。
ところで、CDC(アメリカ疾病対策センター)は、1957年より前に生まれた、現在52才以上の中高年世代が、新型インフルエンザに対する免疫を持っている可能性があるとの見解を発表している。
確かに、今まで感染者発生のニュースを聞くたびに、高校生を中心とした若い人ばかりという印象を皆持っていたので、これは本当らしく感じる。
1918年に大流行したH1N1型のスペイン風邪は、1957年にH2N2型のアジア風邪の発生で下火になり、そのため、1957年より前にH1N1型ウイルスにさらされた世代が、新型インフルエンザへの免疫を持つ可能性が高いとしている。
こんなことも、地球規模でいうと、大きな自然現象の一つの表れという気もする。
最近、養老孟司さんがインタビューで興味深い話をされている。
[『意識で把握できること』、つまり、頭で『ああすれば、こうなる』と予測できることしか考えないという人たちが、都会の人たちです。だから人間が思ったとおり進行するように、すべてをつくり変えていく。そして、コントロールできないもの、つまり自然はできる限り排除する。そういう世界なら、安心なのでしょう。それが優れた社会だという価値観をどこかに置いている。
人工的な社会で成功する人が選抜され、そうでない人は落ちこぼれて、純化されていく。それが全世界的に起きている現象が、グローバリゼーションです。
それを一方で我々は進化とか文明とか言ってきた。文明とは要するに都市化です。」
「都市の生活と田舎の生活は、世界が180度違う。都市の人がそれを自覚できればいいのですが、もうすでに気づけない段階にきている。子供たちはその都市で生まれ、育つのですから。テレビでいろいろな動物を見て知った気になっている。だから僕は、都会の人も1年のうち何カ月かは田舎で働く『参勤交代』を提唱しているのです。」
「なぜ人間はエネルギーを使うかという問題に戻れば、結局は秩序を維持するため。自然界に秩序が発生すれば、別のところにそれに見合うエントロピー(無秩序さ)が発生して、つじつまをとっている。人間が秩序を手に入れたら、必ずどこかに無秩序をつくっている。それが公害問題なり、温室効果ガス問題です。そういう意識世界をつくった以上、エネルギー問題からは逃れられない。だから『ぼちぼち』でやるしかない。それが僕が言う『適当』の意味です。」
養老さんの言われるように、自然界というのは、結局どこかでつじつまを合わせるもので、これを極限まで詰めていき地球規模で自然環境を破壊し続けると、人類は地球からしっぺ返しを食い、滅亡にいたるかもしれない。
今回の新型インフルエンザ騒ぎは別にして、地球という大系が存続していくために、例えば何か未知のウイルスなどで人口が激減してしまう恐れというのは、将来常に存在していくのではないだろうか。
これは、世紀末思想や末法思想につながるものかもしれない。