
インド事情に精通している竹田孝治さんのコラムによると、昨年来の大不況をもろに受け、インド人が多く住んでいることで知られている東京都江戸川区南部の西葛西でも、インド人の姿が半分近くに急減しているという。
職を失えば物価の高い日本になど住みたくないわけで、次々と帰国しているようである。
ところで、言葉の問題であるが、日本語教育を受けたというインド人技術者は、日常会話はできても日本語が書けないというケースが多いらしい。
「仕様書の文章を書けないインド人技術者」という点が、日本企業でのインド人技術者の大量失業に通じている面もあるようだ。
一方、中国人は、書くのは問題ないが、会話が不得意という人が多いらしく、中々うまくいかないものと感じる。
ただし、インドでも中国でも、名のある大学の一般の日本語学科卒業生が素晴らしいのは間違いなく、インドではIT技術者は企業内で教育を受けているケースが多く、「コミュニケーション能力向上」として、日常会話の教育、日本に行って生活をするための会話が中心となるためらしい。
したがって、日本国内では、英語が社内公用語となっている一部の外資系企業でしか役に立たないことになるが、これは、世界全体から見ると、圧倒的にそちらの方が多い訳で、日本語環境の立場から見ていても仕様がないと思う。
むしろ心配すべきは、日本語しかできない技術者が、英語が常識となっている世界のIT環境で取り残されていかないかという点である。