
米国は、ブッシュ政権の失政もあり、共和党から政府の関与をより深くする民主党に変わり、文字通り“Change”を標榜するオバマ新政権が、強力な布陣を発表している。
一方、国内は、相対的に金融危機の直接被害が少なかったことや、バブル崩壊の体験を経ていたことなどから、何となく緩慢な対応で、選挙対策のため、第2次補正予算も来年提出といった状況にあり、党首討論なども何とも締まらない内容で、小技ばかりで時間をつぶす柔道の試合のようである。
しかしながら、ここにきてトヨタ、パナソニック等、大手の過去に例のない大幅な減収減益予測の発表もあり、実体経済の毀損が見え始め、本当に手を打たないと、とんでもない局面に陥る状況にあると見える。
野村総研チーフエコノミストのリチャード・クーさんが、「日本経済を襲う二つの波(サブプライム危機とグローバリゼーションの行方)」の中で、今回の経済危機とバブル崩壊以降の日本が長く経験した大不況を比較し、説明してくれているのは、大いに参考になる。
ところで、“Change”がこのところのキーワードのように思えるが、ドラッカーの「チェンジ・リーダーの条件(みずから変化をつくりだせ!)」に、”起業化精神のマネジメント“があり、その中に「すでに起こった未来」を探せという一節がある。
「予測されているものは今後、10年、15年、20年後に起るものなのか」という問いかけに対し、ほとんどの人はすでに見てしまったものしか想像できず、一般に受け入れられている予測というものは、実は、未来についての予測ではなく、最近起こったことについての報告であることが多いという。
未来において何かを起こす、新しい事業を作り出そうとするときのビジョンは、すべての領域にわたるものではなく、ひとつの狭い領域についてのものであることに活力の源泉がある。
いずれにしても、すでに起こった未来を見つけるというアプローチは、有効なのではないだろうか。