
「勤勉で緻密な性格は日本人の優れた特質だが、小さなミスを責め立てる一方で、大きなミスに対しては“仕方ない”とあきらめてしまうことも多い。
小事にこだわり、大事を見過ごしたり大切にしなかったり諦めたりするのは日本人の大きな欠点のように思う。
サブプライムローンのような大きなバグに対して、日本ではそれを責めたり訴訟を起こしたりせず、あきらめる傾向がある。
それなのに一方では、銀行の情報システムのほとんど実害のない小さなトラブルを騒ぎ立てる。
おかしくないだろうか。
日本全体でもう少しおおらかな気持ちを持って、価値の高い創造活動を支援する環境を作らなければならないと思う。」
何か最近の世の中の動きをみていると、日本は、バブルを先行して経験し、ずいぶん時間はかかったが紆余曲折を経て解決をした実績があり、今回の世界規模のバブル破壊と危機に対しては、もっと大局的にリーダーシップをとれるのに、大きな動きを果たせないでいるという感じを持つ。
先日の「ITPro EXPO 2008 Autumnフォーラム」基調講演の中で、大前研一さんが、世界の経営者の過半はエンジニア系出身であるのに、日本のエンジニアは、言われたことを着実にこなすのが好きであり優れてもいるが、新しいことを自ら考えだすのが不得手であり、また、どうせ経営者には文科系の方が向いていると錯覚していると言っていた。
ITソフトウェアのグローバル化で、特にシステムソフトに強いインド、組み込みソフトに強い中国、さらにロシア(ほかにウクライナなど旧ソ連)、チェコなど日本人より低価格でソフトを作るところは沢山あり、彼等と同じ仕事をするなら同じ土俵となり、安い給料に落とし込むことになる。
これからは、まずもっと上位の「コンセプト」作りが最も重要であり、作るのは彼等に頼むという形にしないと自分たちの今の生活程度も保てなくなる。
また、これと関係も深いが、「センス」の良さも必要になる。
アップルのiPhoneなど、スティーブン・ジョブスCEOのデザインとセンスに依存している面が大きい。
最近の世相からも、身を縮めて守りに入る風潮が感じられるが、もっと大局観、コンセプトをしっかり持って、右往左往せずにやっていきたいものと、自らを省みても思っている。