イメージ 1

イメージ 2

先月、デジタルコンテンツ白書の発刊記念セミナーがあり、同白書の執筆者によるシンポジムがデジタルハリウッド大学院(秋葉原)で開催され、出席者でもある森祐治さんがネット上で報告している。

この中で、「コンテンツ市場の成長率が0.3%というのは、日本がコンテンツ先進国であり、成熟した証ではないか」という発言があったと紹介され、一方で、産業として解くべき課題として、2点をあげている。

一つは、全世界が日本以上の加速度で成長してきており優位を誇れる時間は少ないという点で、発展途上国などの多くがデジタル化という大きな波から得られるメリットを享受しているという現実がある。

例えば、中国では、通常の加入電話網の整備よりも、携帯電話の普及のほうが先行していることで有名であるし、アフリカや南米などでは、アナログ放送がない地域にも、デジタル放送が到達しつつあるなど具体的な事例が多い。

こうした中で、現在は優位にあると言われているハリウッド、あるいはクールジャパンコンテンツといわれている日本のアニメやマンガも、かつては隆盛であったゲームのように急速にその地位を失う可能性が高いと言われる。

そのため、急速に情報財としての性格に適した産業構造への変革が急務なのだという。

又、2つめは、成熟し、後退傾向が強まると、クリエーターに対する対価が行き渡らなくなる可能性があるという点である。

成熟と言うよりは、実際には衰退のプロセスに入ったということを認識しなければならない。

その現実に対して、異常に人への依存率の高いコンテンツ産業では、成長の主戦力である若い人材の流入が滞ることが大きな課題と言われる。

森さんの意見では、コンテンツがモノではなく、情報財としての性格を強め、メディアから独立しコンテンツそのものが流動性をもつことで、立場は逆転する可能性が高く、これまで以上に健全な状況を作り出すことができるし、結果として、成熟したコンテンツ産業ならではの新たな産業形態を生み出すことで、前にあげた2つの課題への回答とできるのではないかという期待を述べている。

今回、総理になった麻生さんが、マンガやアニメのファンとしてPRしているのはご愛嬌としても、日本の今や数少ないイノベーションの代表としてのクールジャパンコンテンツ(アニメやマンガ)をもっと大事に、そして強固に、情報財・文化財として持っていくための知恵を働かしてもらいたいものと思う。