イメージ 1

イメージ 2

アート・ブレイキー&ジャズメッセンジャーズの“オリンピア・コンサート”を聴く。

私にとって、このグループがジャズを聴き始めた最初の入り口で、今でも大好きである。

このアルバムには、“モーニング”、“ブルースマーチ”などのほか、“アイ・リメンバー・クリフォード“が収録されている。

丁度50年前の録音なのだが、アート・ブレイキー(ds)のほかリー・モーガン(tp)、ベニー・ゴルソン(ts)、ボビー・ティモンズ(p)、ジミー・メリット(b)という新編成で、当時のファンキー・ジャズの熱気がひしひしと伝わってくる。

特にこの中の、“アイ・リメンバー・クリフォード“は、心に残る名曲と思う。

クリフォード・ブラウンは、わずか25歳で交通事故死してしまった文字通りの天才だが、小川隆夫さんの「ジャズ楽屋噺」でも紹介されているように、暖かくて誠実な人物像であったらしい。

あのマイルス・デイビスでさえ、「ブラウニーはオレより少し若かった。でも大人だったな。あいつがノーといったところを見たことがない。あいつにだけはプレイの上で負けても悔しくなかった。実際、オレ以上の腕前だったしな。」と言っている。

ベニー・ゴルソンが、ブラウンが死んだ時、ディジー・ガレスピーのオーケストラでアポロ劇場(ハーレム)に出ていたが、皆訃報を聞いて全員が涙を流し、「わたしは涙でグショグショになりながら演奏したんだが、ふと周りを見ると全員が涙を流しながらやっとの思いで演奏していることがわかった。」と話している。

彼は、ブラウンの死後、この“アイ・リメンバー・クリフォード“というトリビュート曲を作り、リー・モーガンに吹き込ませている。

昨年の東京ジャズフェスティバルでは自ら演奏していた。

ジャズの魅力の一つに、このような人間像や背景が色濃く存在している点があると思うがどうだろうか。