
同じ名前の著書も数年前に出しており、今回も興味ある内容となっていた。
特に、現在の車が、メカというより全くエレクトロニクス化され、技術のイノベーションは部品メーカの側が先行して担い、車メーカは組み立てとしての割合が高くなっているというのは、特許の出願状況からも改めて再認識した。
この点で、デンソー、アイシンという強力な部品メーカを抱えているトヨタはさらに優位であり、ホンダ、日産の今後の戦略が見ものである。
ところで、技術・イノベーションの観点からは、2000年までは日本メーカは全く欧米発技術のキャッチアップに追われており、2000年以降、初めてハイブリッドが世界に先行したものとなっている。
一方、わが世の春となっている日本車に死角はないのか。
この点で、車に限らず、エクセレントカンパンニーと逆の視点で、ダメになった会社の要因分析をまとめていたのは、非常に興味深い。
一つは、国内中心で海外対応戦略を怠った会社群。
国内市場がある程度以上大きいと、国内だけでビジネスが成立するため、知らず知らずのうちに、世界から遊離し後れを取っていく危険がある。
所謂、ガラパゴス島症候群はその最たるもので、日本の通信関連でよく指摘されている。
この点で、一寸気になったのは、国産車メーカの国内開発の割合が90%程度と異常に高い点である。
あのGMでさえ、最近は米国内での開発が7割弱で、2割がインド、残りは中国、韓国、イスラエルといったグローバルな開発体制となっている。
国内市場が飽和から減少、欧米市場も伸び悩み、成長しているのはBRICsばかりで、最近のインドに見られるように極端に安い小型車のニーズが強いなど、世界の潮流に遅れないことを望みたい。
もう一つは、破壊的新技術の登場にやられた会社群。
クレイトン・クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」に示されたように、成功している巨大企業なるがゆえに、逆に、当初、小さすぎて目に入らない市場、或いは現在の大手顧客からは聞けない新しい異領域のニーズで生まれてくる価格破壊的新技術に立ち遅れるリスクである。
いずれも、死角になりうるリスク要因で、車関係者に限らず、要注意である。