
2008年という年がどんな1年になりそうか、各メディアでも報じているが、もう少し視野を広げ2015年の日本はどうなるかを、野村総研が昨年末刊行した「2015年の日本・・新たな『開国』の時代へ」で論じている。
日本の総人口は2004年にピークを迎え減少傾向が続いており、2015年には2007年から230万人近く減少し1億2,543万人になると予想されている。
日本は米国の約半分の人口というのが大体の目安であったが、2025年には3分の1近くに減少する見通しになっている。
一方、世帯数も10年遅れで減少し、2015年にピーク(5,048万世帯)を迎えその後徐々に減少していくと予測されている。
以前は、日本の1億人超の均質でレベルの高いマーケットはスケールメリットを生み出し、それを通じて産業の競争力がまず国内で高まり、その後海外に進出していくという成功モデル、成長メカニズムが成り立っていた。
このように、市場をもとに上手に産業発展をとげてきたが、一方で、独自の商慣行(ビジネスルール)、価格より機能重視の消費者特性により、海外諸国とは異質な市場を生み出してきたと言われる。
このため、次第にこの成長メカニズムが通用しなくなってきており、市場だけでなく、ビジネスルールも国の制度も社会インフラ、世界標準とかけ離れた特殊な国になってしまった。
いわゆる、ガラパゴス化現象である。
例えば、携帯電話、デジタル放送、非接触ICカード、建設業(厳しすぎる耐震基準)、大学や医療制度など世界に通用しない。
また、日本の産業で、実際に海外に輸出していた製品は、鉄鋼、造船、機械、自動車、電機などごく一部の産業にとどまっており、その一方、その他多くの産業、農業、食品加工、生活雑貨、建設業、小売業、エネルギー産業、不動産業、(航空以外)運輸業、サービス業などは国内市場にとどまっている。
4億人の先進市場の中の1億人市場ならまだしも、10億人の先進市場となった中の1億人市場にしがみついているだけではどうしようもなく、あまりにも海外に門戸を閉ざしていたのを改め、もっと海外と調和した社会を作っていく必要があるのは当然と思う。