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最近の日本の政府は、参院の大敗、相次ぐ閣僚の不祥事、安倍さんの居座り後の改造政権はどう見ても麻生さんの仮想内閣であり、全体として昔風の自民党への回帰が感じられる状況になってきた。
一方、民主党政権は、未知数でもあり実際の実現はなかなか難しいかもしれない。
小泉さんの構造改革は、少々荒っぽい所があったが、いろいろ手つかずのままだった問題個所を破壊的に変えるという姿勢があり、経済界や海外の投資家からも評価が高かったと思う。

今後は、何となく停滞感を伴った気運が出そうで、イノベーションという観点からは一寸物足りない時期になるかもしれない。

こんな中で、ドラッカーの「イノベーターの条件」をパラパラ読み返してみると、次のような趣旨が出ている。

イノベーションと起業家精神は、歴史上それぞれの世代の革命によって望んだものを、流血、内戦、強制収容所、経済的な破局なしに、一定の目的と方向性とコントロールのもとに実現する。
われわれが必要としているものは、イノベーションと起業家精神が、当たり前のものとして存在し継続していく起業化社会である。
起業化社会において必要とされる政策と対策について考えるとき、重要なことは、機能しないものを明確にすることである。
なぜならば、機能しない政策が今日あまりに人気があるからである。

また、イノベーションの機会についても面白い表現をしている。

イノベーションの機会は通常、現場に近い所で見いだされる。
それは、計画屋が対象とする膨大な総体ではなく、そこから逸脱したもののなかに見出される。
予期せぬ成功や失敗、ギャップ、ニーズ、「半分入っている」から「半分空である」への認識の変化に見出される。
それら逸脱したものが計画屋の目にとまるようになったころには、もう遅い。

イノベーションの機会は、暴風雨のようにではなくそよ風のように来て、去る。