
米調査会社フォレスター・リサーチによると、米国でインターネットを使った映画やテレビ番組の有料配信サービスは今年が市場の成長のピークで、その後は広告収入に支えられた無料配信サービスなどに急速にとって代わられると予測されている。
Microsoftは、aQuantiveを買収することを明らかにし、60億ドルという買収額は、同社がこれまで買収してきたほかの企業各社の3倍であり、Googleが4月にDoubleClickを買収することで合意した金額の2倍にあたる。
aQuantive社はオンライン広告業界では有名な企業で、Microsoftがコストを度外視して切望していた広告配信技術をいくつか提供できるとみられている。
国内では、インデックスとNHKが、携帯電話でテレビ番組のオンデマンド視聴するためのアプリケーション「Yomu.TV(仮称)」を共同開発することを明らかにしている。字幕放送のキャプションをメタデータとして利用し、キーワードから番組を検索する機能や、見たいシーンにピンポイントですばやくアクセスする機能などを実現するとしている。
また、テクノロジー系ベンチャー企業の経営者やベンチャーキャピタリストなどが集まるイベント「New Industry Leaders Summit 2007 Spring」(NILS)では、最初のセッションで米動画配信支援企業のBrightcoveの創業者でCEOのJeremy Allaire氏が「Future of Internet TV」と題し、米ネット配信市場の最新情報と同社サービスを紹介するとともに、近く日本市場へ参入することも明らかにしている。
ところで、複雑系の理論認知科学の研究者で天才プログラマー/スーパークリエータに認定されている鈴木健さんが、三鷹天命反転住宅というところに住みはじめたそうで、ここは荒川修作という人が設計し、そこら中がでこぼこしていて平らな場所がほとんどなく、Study Roomと呼ばれる完全に球の部屋があったりする。この部屋に暮らすことで、新たな身体感覚や認知構造を生み出していくことを狙ったもので、起きてトイレにいった後このでこぼこの床を歩くと、体が左側に傾いてまっすぐ歩けないことがあるという。
建築の分野で言うと、日本の庭園は、新しいコンテクストを差しだすことによって、脳の違った部分を刺激するプログラムと見なすことができ、さらに意識的に展開したのが上記の建築で、もともとは画家であり彫刻家であった荒川は、人間の身体に気づきをもたらすために、それらの手段に不足を感じ、われわれの身体全体を包み込んでいる建築を志向したらしく、それを気づかせるために、身体を常にアンバランスな状態に置いているというわけである。
今、読みかけの梅田望夫さんと脳科学者茂木健一郎さんの対談集「フューチャリスト宣言」にも脳の活動とIT,ネットワークの類似性が紹介されていて面白い。
考えてみると、分野を問わずイノベーションには何か不安定な要素が起動力になっているような気がする。
精神生活上幸せかどうか、また本人の自覚は別にして、何かを生み出す時は何かしら狂気に類した異常さがあるといわれているのは結果的には正しいのかもしれない。