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Googleはインターネットの究極の打ち出の小づちだという。(CNet Column)

経済学の基礎でいう需要と供給の法則からいえば、需要の変化に応じて供給が変化し、需給がどれだけ変化しても2つの曲線が交わるところが商品やサービスの価格となるわけであるが、現実には物理法則の制約があり、単純にその前提が当てはまるわけではない。

例えば、夫婦で営む食料品店があったとして、1日の生産量には限界があるため対応できる顧客の数に物理的な限界がある。また、商品がどれだけ良くても、物理的な店舗である以上そこに来る人の数にも限りがあり、地理的な位置が需要に上限を与える。結局、どれだけ熱心に働いても、彼らの能率が最大になった後は収入は頭打ちになる。

Starbucksのような大企業は、店舗が1つであるという条件から自身を解放してさまざまな土地へ拡大していくことでこの問題を解決したわけで、一般に、地理的な拡張はフランチャイズ形式で行われている。

これが、オンライン世界にも適用されるかというと、ソフトウェアはエネルギーの消費が無く、インターネットには地理的境界がないため、全く異なる事業の規模と力学につながることになる。

成功例のAmazonは書籍から始まったが、その収入曲線は、リアルな世界の全米規模の書店チェーンの収入曲線よりもはるかに大きく、重要な違いは、物理的な意味での地理的な制限がないという点にある。
しかし、そのAmazonでも、そのウェブサイトは確かに見つけるのは難しくはないが、Amazonはユーザーがオンラインのときはどこにでもついて行くわけではないという、ウェブサイトがオンライン上の地理概念という限界を持つビジネスモデルのため、潜在的な収入に限界をもっている。

一方、Googleはオンラインでのアクセス先のトップ3のひとつであるだけでなく、企業や個人がGoogle広告を自分のサイトで公開するのを支援するというテキスト広告戦略を通じて、インターネット上の地理の制約からさえ自由になり、どこにでもいる存在になっている。

リアルな世界のStarbucksとの主な違いは下記の点にある。
・Starbucksは拡大に費用を使うが、Google広告は自己拡大する
・Starbucksは管理に大きな費用がかかるが、Googleはほとんど維持費がかからない
・Starbucksはマーケティングに費用がかかるが、Googleには効き目があるため企業の方から集まる。
・Starbucksは人間に依存するが、Googleはソフトウェアに依存する

かくして、Googleはインターネットの究極の打ち出の小づちということになるというわけである。

ところでインターネット関連として、Web 2.0アプリケーションに関し面白いデータが報告されている。
米国の多くの成人は、携帯電話、コンピュータ、インターネットアクセス環境を持っており、インターネット利用者の割合は73%だったが、Web 2.0機能の「熱心なユーザー」の割合はわずか8%であることが、非営利団体Pew Internet & American Life Projectの最近の発表で明らかになった。

Web 2.0ユーザーの定義は、ハイテクを利用して「オンラインで自己表現したり、サイバースペースの共有領域に参加する人」となっている。例えば、個人ウェブサイト、ブログ、ビデオブログの管理者や、メディアをリミックスしている人、ニューメディアの創作物を他人と共有している人などがこれに該当する。

さらに、米国成人のハイテクユーザーを「High(高)」「Moderate(中程度)」「Below Average(平均以下)」の3つのカテゴリに分類した上で、さらに10種類のタイプに明確に分類できることを発見したという。

〇┸動物タイプ(8%):
このタイプは、性別を問わず、熱心なWeb 2.0ユーザーで、年齢は30歳以下が多い。彼らは、世間に向かって自己表現するために個人のウェブページ、ブログ、マッシュアップを頻繁に更新する。また、iPodで動画を視聴したり、仮想世界に参加することが多い。彼らの社会交流の大半は、家庭や職場の高速インターネット接続を介したインスタントメッセージング、テキストメッセージの送受信、ブログを通じて行われる。

∪楝骸團織ぅ廖7%):
このタイプは、1990年代はじめからインターネットを利用している30代女性が大半を占め、フル装備の携帯電話かスマートフォンを所有している。彼女らは、コンテンツ管理や、職場、コミュニティー、家族への連絡、さらに趣味やエンターテインメントに関する交流のための場所としてインターネットを好んで利用する。その際は、携帯電話かスマートフォンのどちらかを使用し、Wi-Fi経由でインターネットに接続する。彼らは、平均的な米国民の2倍の確率で、ブログを作成したり、ウェブページを所有している。

精細を欠くベテランタイプ(8%):
このタイプは、90年代半ばからインターネット上でさまざまな経験をしてきたが、Web 2.0やモバイルメディアにはほとんど関心がない。ノートPCを所有し、ブロードバンド接続が可能な40代男性にこのタイプが多い。彼らは、電子メールと携帯電話は仕事に必要不可欠だと考えている。また、インターネットで情報検索したり、電子メールで家族や友人と連絡を取り合ったりもするが、関心はそこで途絶えている。

だ源裟増進目的タイプ(8%):
ハイテクを適度に利用するタイプで、性別を問わず、子持ちの40代に多い。こうした人々はインターネットの機能や効用を肯定的にとらえているが、あくまで仕事や習い事の手段と考えている。また、家族や友人への連絡手段としてインターネットを好んで利用するが、彼らが携帯電話やノートPCで人気テレビ番組「Lost」の動画クリップを視聴している姿を見るのは至難の業だろう。
シ搬單渡鍛羶乾織ぅ廖10%):
概ね30代で、携帯電話にビデオクリップやゲームなどのコンテンツを満載している人たち。ただし、これらのユーザーは、PCを介した接続にはあまり熱心ではなく、他のグループと比較してオンラインになっている時間が短い。Pew Internetの調査結果によれば、このグループはアフリカ系米国人の割合が高いという。

η困泙靴もそれなりに依存タイプ(10%):
このグループのユーザーは、テクノロジや通信接続に投資はしているものの、それらを現代社会における「やっかいな」生活必需品としかみていない。ユーザーの多くは40代の女性で、ブロードバンドアカウントや携帯電話、デジタルカメラを購入してはいるものの、「情報過多」に悩まされている。したがって、たとえウェブや電子メール、携帯電話が使えない場合でも、少しも気にしない。

未熟な試したがり屋タイプ(8%):
必要なテクノロジを持ち、みんなの仲間入りをしたいと思ってはいるものの、どうしていいかわからない人たち。これらのユーザーは通常50代の女性で、所得は平均以上でも、インターネットや携帯の使用に関しては平均以下。インターネットを始めたのはせいぜい5年くらい前からだが、掲示板にコメントを投稿したり、楽曲をダウンロードしたり、電子メールで写真のやり取りをするなど、何でもちょっとずつ試している。

┯従?頬?なライトユーザー(15%):
このグループも、インターネット歴が5年ほどの概ね50代の女性。このグループのユーザーは、自分が持っているテクノロジに満足しているが、それを使うことはほとんどなく、なくても簡単にやり過ごせる。大部分が携帯電話を所有しているが、機能にはこだわらず、固定電話の代わりとして使うことは考えていない。

無関心タイプ(11%):
ブロードバンド環境を持たない40代男性が主で、いら立ちを感じながらも携帯電話やウェブへのアクセス手段を所有しているが、オフラインになっていることが多い。彼らが使う回線の遅さは、趣味の追求や他者との共有のためにインターネットを使用することへの障害に「間違いなく」なっている。

ネットワーク未利用タイプ(15%):
65歳以上が属する傾向にあるこのグループでは、携帯電話やインターネットへのアクセス手段を所有していない。一部は、コンピュータやデジタルカメラを所有している。

私自身は、これらのタイプのうち何番目になるか考えてみて一寸悩ましい印象を持った。