
「商標権と相互運用性に関して合意に至ることを目的に交渉を行うため」(両社)としている。
米Cisco Systemsの事業部門であるLinksysは昨年12月,IP電話機「iPhone」ファミリを発表しているが、もともと、Linksysが2000年に米Infogear Technologyを買収した際にこの商標権を取得している。
CiscoはAppleのiPhoneの発表を受け、商標侵害で米カリフォルニア州北部連邦地方裁判所に提訴し,商標の使用差し止めを求めていたもの。
AppleはCiscoに対してiPhoneの名称使用を要請し、両社は約5年間にわたって交渉を続けてきたが,結局合意には至らなかったらしい。
AppleのSteve Jobsは、iMacやiPodのデザインに自ら中心になって非常に凝っていたことは有名な話で、iPhoneのネーミングにも強い思い入れと戦略があるのをうかがわせる。
今後の展開を注意深く見守りたい。
ところで、米ブッシュ大統領が一般教書演説で省エネルギー問題や温室効果ガスの削減に言及したが、米ネット業界でも、インターネットの裏で膨大な数のコンピューター・サーバーを抱えるデータセンターが存在していることから、このエネルギー問題は極めて重要なテーマになっている。
グーグル、ヤフー、マイクロソフトなど米大手のネット企業は、米国内で巨大なデータセンターを建設することに追われており、最重要視されるその立地条件は、低廉な電力料金となっている。
例えば、マイクロソフトがワシントン州中央部のクインシー市にデータセンターの立地を決めたのは、近くの水力発電所から安く電力を購入できるからといわれており、マイクロソフトに続いて、ヤフーや米ソフトウェア企業インテュイット(Intuit)も、この街にデータセンターの建設を決めている。
Intel,AMDのチップメーカーも如何に低消費電力で高性能なCPUを開発できるかしのぎを削っているし、米デルやサン・マイクロシステムズは省エネルギー・チップを搭載したサーバーを提供し、米HPは高効率の冷却装置の開発を行っている。
インターネット検索だけでなく、これからSaaSなどのようにソフトウエア自体がウェブベースのサービスに変化していく流れがある中で、データセンターが抱えるエネルギー問題はますますIT企業の大きな課題になっていき、また逆に発展の限界、壁となる恐れがあると思う。