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元NHKワシントン支局長の外交ジャーナリスト手島龍一氏と外務省のラスプーチンと呼ばれ最近二審でも有罪判決を受けた異才の情報分析プロフェッショナル佐藤優氏の対談集が面白い。

インテリジェンスといえば、まだ中学の頃だったか、米国中央情報局CIA(Central Intelligence Agency)の“情報”がなぜ“Intelligence”なのか不思議に感じたことを覚えている。

ここでは、「インテリジェンス(情報)」とは、国家の命運を担う政治指導者が舵を定めるための羅針盤と定義されている。

例えば、電話口で娘が「お父さんが大変なことになっちゃったの!」と言っている場合、それは「お父さんが死んだ」という意味かもしれないし「ウオッカを飲んで大暴れして泣き出した」という意味かもしれない。
それ以外にも、いくつかの可能性が考えられる。

そこをどう分析するかで、各国の情報に差が出てくる。
だからこそ、ここで言う「情報」は「インフォメーション」ではなく「インテリジェンス」なのだという。

世界の裏側の話として、サダムフセインとビンラディン、アルカイダが全く敵対関係にあったこと、米国のネオコンがニューヨーク市立大学出身の世界革命(ただし世界自由民主主義革命)の思想を持つトロッキストグループであること、大韓航空撃墜事件の裏話など実に興味深い。

インテリジェンスとは、精査し、裏を取り、周到な分析を加えた情報なのであり、ちょっと聞きかじっただけの素材はインテリジェンスに昇華されていないと談じている。

これは、われわれのビジネス活動、戦略を策定する時にも通じることではないだろうか。