
日本語、特に和製英語との違いが、案外その裏にビジネスの慣習、考え方のズレに基づいていたりすることもあり、何か参考になれば幸いである。
Crash Program:
プロジェクトの完成を早めなければならない時、最も時間を要する工程に資源を集中投入することで、期間を圧縮する強行計画のこと。
Crash Jobは突貫工事のこと。
CPM(Critical Pritical Method)は、コンピュータを用いて複雑な作業を段階別に図式化し、作業に必要なじかん・費用を計算し、費用効果の高い方法を決定した上で、管理すること。
Image:
日本語でよく使われている「概念」というニュアンスはなく、「サービスイメージ」とか「イメージ写真」とかいう表現は英語圏では絶対に通じない。「サービスイメージ」はservice conceptが正しい。
Quarterの表現:
2007年第1四半期を表すのに,「071Q」と書かれていることがあるが、これでは「71四半期」と勘違いされてしまうので、「07Q1」と書くべき。
貨幣単位の表現:
「100M$」と貨幣単位が金額の後に来るのもおかしく、「$100M」と書いた方が英語では自然になる。
Service Menu:
「サービス・メニュー」は,まず通じない。単純にServicesとかfeaturesと言った方がよい。
SIer:
ITの世界で、「SIヤー」とよく言うが,システムインテグレータ(System Integrator)と言わなければ通じない。特にSIerと書くと,SLERと勘違いされ,ますます意味が通じなくなる。
障害:
一般には barrier, obstacle, blockなどもあるが、ITの世界では、“event”あるいは“problem”が適当。
Outage:
ネットワーク障害が発生し「通信が切れてしまった」というニュアンスには,“Outage”が適当。
“Service outage”,“Network outage”と言えば,「サービスが止まった」「ネットワークがダウンした」という意味になる。
“Power outage”は「停電した」ということ。“Disconnect”だとうまく通じない。
修理:
“Repair”は文字通り壊れた物を修理すること。
“Rework”は,壊れてはいないかもしれないが不具合があるので加工し直して良品にするという語感がある。“Refurbish”は「新装」というニュアンスで,古くなったものを手直ししてまた新たに使えるようにするという意味。中古市場で販売されているPCは“Refurbished PC”。
バグ:
商用環境で運用中に発見されたバグはCustomer found defect (CFD)。再現しない障害原因はProblem not found (PNF),Non-reproducible 。
生産能力:
効率の悪さを最小限に抑え、理想的な操業条件下で、達成しうる、一定時間枠での生産能力である理論上の(最大)生産能力はTheoretical Capacity。
フル稼働して達成する実質最大操業度はMaximum Practical Capacity。
需要に応じた稼動による通常最大操業度はNormal Capacity。
1年だけ需要対応し稼動する見積もり操業度はPlanned CapacityあるいはExpected Actual Capacity。
短い単位で稼動する単月(日、四半期)操業度はOperating Capacityになる。