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野村総研の「2010年日本の経営 ~ビジョナリー・エクセレンスへの地図」によると、今後人材の“ネコ化”が進むという。

“ネコ型人材”とは、おもしろいと思う仕事や自己成長に役立つ仕事には強い興味を示すが、会社への忠誠心が希薄なタイプで、そんなネコ型人材が若い世代を中心に増えているらしい。
一生同じ企業で働きたいという意志が弱く、時価に見合った報酬を強く主張するタイプだが、“ネコ型人材”のほうが個性豊かな発想を持ち、新たな価値を創造することに、より優れている傾向がある。

これからは、組織忠誠心の強い従来の“イヌ型人材”とこの“ネコ型人材”が混在する組織をマネジメントするため、リーダーが理念やビジョンで彼らを共鳴させることが従来に増して欠かせないということになる。グローバル競争がますます進展するであろう2010年代には、ネコ型人材の力を生かせなければ日本企業は生き残れないというわけである。

しかるべき経営観や社会観を盛り込んだビジョンや行動規範、価値観などをきちんと明文化した後、リーダーがそれを徹底的に社内に浸透させ続ける必要があり、魅力溢れる理念は企業の良き個性となり、優秀な人材を引きつけることになる。

米国で数年前から注目を集めている「ストーリーテリング(Storytelling)」という手法があり、これは語り手が理解してもらいたいコンセプトや思いを、それらを喚起させる物語を通して伝えるもので、語り手の体験や身近な出来事をベースに作るとより効果的といわれているので、今後日本でも広がっていくのではないだろうか。