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先週、4泊5日の行程でカンボジアの世界遺産アンコール遺跡群を回ってきた。

拠点となるシェムリアップの町のホテルにずっといたので時間の割にゆっくりできた。
既に行かれた方もおられると思うが、有名なアンコール・ワット寺院、城壁に囲まれたアンコール・トム内のバイヨン寺院、映画インディジョーンズの撮影にも使われたタ・プローム寺院、さらにロリュオス遺跡群(ロレイ、プリア・コー、バコンなどの寺院)、バンテアイ・スレイ寺院など世界遺産が多く含まれる地帯で、雨季には琵琶湖の10倍に拡大するトンレサップ湖も含め、日本と時差が2時間しか離れていないのにまるで別世界で暮らしてきた感がある。

 ここ2,3年で急増している高級ホテル群の様子と、プノンペンに通じる唯一といってよい舗装されてはいるがセンターラインもはっきりしない幹線道路(日本の援助の由)以外はでこぼこの悪路、一歩、町から出ると電気も水道もないランプの生活ぶりとのアンバランスが激しい。

バイクは免許が不要で、車も同じ地域ではナンバープレートがなくても取締りがない。信号も町全体に3箇所しかなくよく事故が起きないものと驚く。また、道路の端のいたる所に1リットルびんにガソリンを詰めたものをバイク向けに売っている。

 なにしろ年中暑く、11月に入り乾季になっても夜明け前で25度以上、日中は35度、3月頃はまさに酷暑で40度を軽く越え現地の人々も大変だといっていた。

子供の教育には熱心のようで、義務教育の形にはなっていないが、教科書や制服など国からの支給である。学校は、真昼時の暑さを避けて二部制で、午前組は7時から11時、午後組は1時から5時といった形らしい。ちょっと、意外だったのは学校の先生の給料が最低に近く低いのに、遺跡群のゲートの係員などの公務員(?)の給料が3倍も多いらしくしかも幹部のコネで就職が決まっている模様で何かと問題を抱えている様子がうかがえる。

 基本的に女系らしく、結婚するとお嫁さんの実家に入る習慣らしい。結婚のイニシアチブをとるのは男性側で、まず自分の親に相手の名前を伝えると、親は相手の家の状況など調べOKだと、親から相手の親に話が伝わり、今度は相手の親がこちら側の家を調べOKになると娘に話すらしい。兄弟姉妹が10人程度はざらのようで、同居していくために、大家族となりがちで、ガイドをしてくれた20歳過ぎの男性も母親側の家族で35人同居しているとのことであった。いとこなどは100人もいて特に父親側のほうは顔も見たことがない人間が多いとのことである。結婚式は出席者が数百人になり費用が大変とのこと。

 ポルポト時代の大量殺戮で30歳以上の年代が非常に少なく、若いというより子供の数が目立つ。
他の東南アジアでも同様だが、小さな子供たちが手作りの土産品や、写真集などを観光客向けに売っており、彼らが幼い弟妹の生活を支えているわけでなんとも切ない感じである。
 より高い収入の仕事を得るために、日本語含め外国語の習熟に熱心で、遅い夕食をとったレストランではウェイタが日本語を習っている由で、食後、客もいなくなった時間だったので、ひらがなで書いた文章があっているか見てほしいと頼まれたりした。

日本で恵まれた生活インフラ、豊かな生活物資の中で暮らしていた中から、このような別世界に身をおいてみると、本当に省エネ、シンプルな生活の重要さが再認識でき、貴重な体験と改めて感じた次第である。