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仕事の関係でACCESS主催のセミナに出席した際、慶大国領教授の話を聞いたが、次世代ネットワークからユビキタスの動向といった内容で面白かったので一寸ご紹介したい。

・次世代インフラNGNの構築では、より高信頼性が基本的に求められるのは勿論であるが、都市部と地方のデジタルデバイドといった問題も出てきており、これから2011年頃までが正念場となる。
・放送と通信の融合では、一寸後退の気配があり、タコツボ型進展の恐れがある。
・本当の意味で災害に強いネットワーク構築には、剛性と柔軟性の両方が必要であり、例えば、119番と震災時の緊急対応では要求されるものが異なる。

・「ヒトのネットワーク」が大事であるが、一つの典型例として地域医療連携における電子カルテがある。しかしながら平成12年頃まで膨大な補助金が投じられたが大部分はうまくいっていない。
・結局、メディアという手段で何を伝えたいのか、実質的な処理機能の移管、エンパワーメントが伴わないとうまくいかない。

・ユビキタス技術というのは、センサとネットワークで末端も中央と同じように「見える」構造を提供するものであるが、機械中心の言わば「監視型」のアプローチもとれるし、人間中心の上記で言う「エンパワーメント型」の設計もできる。

・「創発」という言葉で表されるのは、「多くの要因や多様な主体がからまり合いながら相互に影響しあっているうちに、ある時、エネルギーの向きが一方向へ向かったりすること」で、歴史的には次のような例がある。
   生命の誕生、新型感染症の伝染、株式市場の崩壊、テロ・デモの伝播等
・「創発」が起こりやすいプラットフォームが必要で、Googleは「創発」の価値をビジネスモデル化に成功したといえる。
・膨大な外部で成立している状況を「内部化」とも呼べる技術で一部でも取り込む技術が極めて有効になっている。

・全く自由にやりとりして発展してきたインターネットの世界であるが、最近よく見ると、適度な制約がかえってうまく成長していくようで、よい例がSNSで、わざと友達にしか見えないようにすることで急成長している。

以上、非常に示唆に富んだ内容で、限られた時間のためよく理解しきれない部分もあったが、1ヶ月もするとこのような内容を盛り込んだ書籍を出版するらしく期待している。