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仕事柄、ベンチャー経営者からヒアリングする機会が多いが、技術的にユニークで面白いイノベーターがいる一方、今後5年、10年たった時にこのベンチャーが存在しているのか、どれだけ成長し続けているのかと感じることも多々ある。
「技術系ベンチャーのイノベーション評価法(成功する事業を目利きする)」という本の中に同様のことが書かれているので一寸紹介したい。

「イノベーター」と「起業家」には基本的にいくつか違いがある。

一つは、目標設定で、イノベーターの方はどうしても拡散しがちであり、競合企業と同じかもっと広い市場を対象とし結果的に低価格等差別化戦略に追い込まれたり、新市場集中戦略の場合でも対象顧客を絞り込めず苦戦することが多い。起業家の場合は、当初の目標をなるべく絞り、その後ニーズの増加や技術の発展等により市場の拡大を狙う。Start small,小さく生んで大きく育てるわけである。

2点目は、イノベーターの作る事業計画はあいまいだったり、ところどころ抜けていたり、専門用語のオンパレードだったりする。起業家のは、所謂5W1Hがしっかりしており、また、未定箇所はどこか明確になっている。

3点目は、金銭感覚というか資金計画、資金繰りで、イノベーターは、金は後からついてくる、金は天下の回り物といった感じで、何もかも自前でやろうとしたり最初から大型の設備投資を想定したりする。起業家は、自社の競争力を高めるための経営資源には投資を行うが、それ以外、生産や販売などはアウトソーシングを考える。

4点目は、周囲から高い評価を得た場合のレスポンスで、イノベーターは精神的に舞い上がってしまうことが多い。他人の意見を聞かないタイプはこの点要注意で、ヒアリングの際、一方的に喋るようなような人はこの傾向が強いと見られる。起業家は、精神的な糧として、更に当初の事業計画にまい進しようとする。