
その際、価格設定が大きなポイントになる。
一寸前の本だが、Leonard M.Lodish他による”Entrepreneurial Marketing”(訳「成功した起業家が毎日考えていること」)に、「顧客価値」(顧客の知覚価値とも言うべきもの)は、一連の機能を遂行するための入手可能な最善の代替案と比較し全体的に経済的採算ラインとなるサプライヤーの提供物に関する仮定的な価格としている。
従って、起業家は、競合相手よりも知覚価値を巧みに生み出す方法が見つかれば、相場をはるかに越える利益を手にすることが出来ることになる。
一般に、新商品で知覚される顧客価値は
(1)商品価値:商品それ自体が生み出す相対的効用
(2)サプライヤー価値:サプライヤー自身が生み出す相対的効用
(3)乗り換えコスト:従来の商品から新しい商品への移行に伴うコストとリスク
などの要素から成り立っている。
大事なのは、ターゲット市場のユーザーが上記の要素のうちどれを重視するのかを理解し、自社が提供する商品と、それをサポートするマーケティング要素のすべてが、効果的にこの知覚価値に影響を及ぼすよう気を配ることである。
特にソフトウェアの場合、提供する知覚価値に対して、顧客とまともに向き合い、正当な対価を請求する勇気が必要で、例えばSASインスティテュート社の様にパッケージを販売するのではなく、ライセンス供与の形(初年度のライセンス料と1年毎のライセンス更新料)を取るのも一方法である。